想像力が試される「アンチャーテッド」シリーズの「謎解き」

ゲーム開始直後のチュートリアル的なミッションは「崖から落下寸前の列車からの脱出」という、いきなりの大ピンチ局面。ここでは、よじ登り、ジャンプ、スイングといった基本アクションを学んでいくことになる。一般的には「ぬるい」はずの冒頭のチュートリアルシーンが、本作ではいきなりの極限状況となっているので、コントローラを握る手にも自然と力が入ってしまう。このチュートリアルが終わる頃には、「なぜ、ネイトは血だらけで落下寸前の列車に乗っていたんだ?」という疑問で頭がいっぱいとなり、基本操作を覚えた頃には、ゲーム世界の深みへ引きずり込まれていることだろう。

次の博物館のシーンでは、警備員に見つかったら即ゲームオーバー。銃器を使わずにステルス行動をしながら先へと進むことが強いられ、このステージが終わる頃にはステルスアクションの基本が習得されているはずだ。しかも、『2』が「撃って撃って、撃ちまくれ!」のゲームではなくなったことをプレイヤーは自ずと感じ取ることになるだろう。

なので、さらに先のジャングルのステージでは、ごく自然に、それまでに覚えた基本アクションとステルスアクションを活用しながら先へ進んでいることだろう。

謎によっては、きわどいアクションを駆使して挑まなければ解けないものも!

最初のステージは落下寸前の列車からの脱出。いきなりのピンチ。ここがチュートリアルステージ!?

今作は、アクションだけでなく、遺跡の各所に仕掛けられたパズル的「謎」もパワーアップしている。ただ走り回って鍵を見つけては扉を開けてその先のレバーを引くだけでは進められない、プレイヤーの想像力が試されるとてもチャレンジングな「謎」が各所に仕掛けられているのだ。前作では、ネイトの手帳にさまざまな謎解きのヒントが書かれていたが、今作でもネイトの手帳にそうしたヒントが書かれている。

今作でも、ゲーム中、[SELECT]ボタンを押すことで、日記をいつでも見ることができ、直面している謎に関したヒントがないかを探すことになる。例えば、ネパールの寺院での巨大偶像の仕掛けは、ネイトの手帳に、そのまま「こうすれば扉が開く」的な分かりやすい図解が載っているのだが、後半のシャングリラへの入り口を開くための「謎」パズルなどは、書かれている梵字、記号、絵画、色などの意味を結びつけて解釈しなければならず、「きっとこういうことだろう」と想像して解法に挑むことになる。もちろん総当たりをすれば「いずれ解ける」程度の組み合わせではあるが、あれこれ想像して意味を解釈したときには、「オレって考古学の才能あるかも」と錯覚を覚えるほど爽快だ。

また、今作は、前作以上に同伴キャラとの協力体制にスポットがあてられているのが特徴となっている。今作はサリーやエレナにくわえて、クロエ、フリン、その他+αのNPCたちが、局面局面に応じて冒険に同伴してくれることになる。やることはシチュエーションに応じて決め打ちではあるが、AI制御されたパートナーキャラと役割分担して敵や謎に挑んでいくゲームプレイはドラマティックで、ストーリーへの没入感を一層煽ってくれる。このあたりのNPCとの「密」な2人プレイ感覚は『バイオハザード5』とよく似ている。ただし、『バイオハザード5』とは異なり、本作はオンライン協力プレイには対応していない。この部分は次回作に期待したいところだ。

負傷した味方を担ぎながらの戦闘もある。不利な状況を克服しつつ敵を撃ち破れ

今作ではNPCとの共闘の楽しさが強化されている

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