既報の通り、NTTドコモは2009年夏モデルの携帯電話19機種を発表した。5月22日に第1弾端末「P-07A」が発売され、その後順次5~7月にかけて販売する。国内初のAndroid携帯「HT-03A」や、東芝のWindows Mobile 6.1搭載「T-01A」なども登場する。ドコモの山田隆持社長は今回の新製品について、「ひとりひとりのお客様の声に応えた。キーコンセプトは"ひとりひとりのあなたへ"」と紹介する。

CMキャラクターを務めた俳優陣が会場に駆けつけた。左から堀北真希さん、松山ケンイチさん、堤真一さん、劇団ひとりさん

国内初のAndroid携帯は「大いなる前進」

初のAndroid携帯HT-03Aを持つ山田社長

今回の発表会場で一番の注目を集めたのがGoogleのAndroidをOSとして採用したスマートフォン「HT-03A」(HTC製)。国内で初めての登場となるAndroid携帯であり、タッチパネル付き液晶の下部にトラックボールを備え、Googleによる検索やGmail、Googleマップといったネットサービスとの親和性が高い。地磁気センサーを備え、本体の向きに応じてストリートビューの表示方向を移動するといった独特の機能も備えている。

アプリ配信プラットフォームのAndroidマーケットから好きなアプリをダウンロードして使うことができ、国内ではソフトバンクが販売するiPhone 3Gのライバルになると目されている。

山田社長は、「まさに携帯するGoogle」と表現。永田清人プロダクト部長も「Googleのサービスを存分に使っていただきたい」とGoogleとの親和性の高さを強調しているが、山田社長はHT-03Aは「スマートフォンの中では大きなインパクトになる」と見ており、Android携帯に強い期待感を示している。

Android搭載端末「HT-03A」。写真右下はAndroidマーケットのカテゴリー選択画面

「HT-03A」で表示したGoogleマップ(左)とストリートビュー

ソフトウェアキーボードは携帯型やQWERTY型も選択できる

Android携帯や、同時発表のT-01Aのようなスマートフォンの良さを、山田社長は「全世界共通で使える全世界ケータイ」とし、iモードやiアプリなど「ドコモだけに閉じたサービス」(山田社長)を盛り込んだものではないという認識だ。ただ、今後他キャリアからもAndroid携帯が登場した際にドコモの独自色をどう打ち出すかについては「議論はあるだろうが、スマートフォンにiモードを乗せる」という可能性も検討しているようだ。

いずれにしても、Android携帯の登場で、スマートフォン市場がさらに活性化することが予想される。山田社長は、HT-03Aの登場が同市場に対して「大きな前進」という認識を示すとともに、「国内メーカーにもAndroid携帯を開発してほしい」と語る。

ひとりひとりのあなたへ向けたケータイ

ドコモの2009年夏モデルは、18機種56色と昨夏並みのラインナップをそろえた。昨年よりラインナップを一新。ユーザーのライフスタイルに合わせたというSTYLE・PRIME・SMART・PROの4シリーズに分類している。すでに4シリーズ合計で500万台を販売し、ドコモの狙い通りにユーザーもシリーズを選択しているという。

4シリーズ合計で500万台を販売

各シリーズの販売比率は当初の予想通りだという

山田社長は商品開発において「もっとも重視しているのはお客様の声」だとして、今回の夏モデルでは「使いやすさの向上を重視した」という。たとえば、これまで3段階だった電池残量表示を5段階へと細かくし、パーセンテージでの表示もサポート。機種変更時に、電話帳やメールなどのユーザーデータだけでなくユーザー辞書やアラームといったユーザー設定も移行して、設定をやり直さなくてもいいようにした。こうした改善は、「求められている機能は何か、より使いやすくするにはどうすればいいかを改めて追求した」(同)結果だという。

寄せられたユーザーの声

その結果搭載された各機能と対応端末数

新端末では、デザイン性を重視したSTYLEシリーズで著名ネイリストの黒崎えり子さんのスペシャルモデル「F-08A」。携帯電話の機能性を重視したPRIMEシリーズには、1000万画素のCCD、シーン自動認識、追尾AF「チェイスフォーカス」などを搭載し、「デジカメそのものの機能がついた」(同)という「SH-06A AQUOS SHOT」。大人のビジネスパーソン向けPRIMEシリーズでは、革、木目、金属という3種類の質感の外装を備え、「大人に使ってほしい」(同)という「N-09A」。先進性を重視したPROシリーズにはAndroid携帯「HT-03A」やWindows Mobile搭載「T-01A」(レビューはこちら――などといった端末をラインナップする。

たとえばこれはネイルアーティスト黒崎えり子さんのスペシャルモデル「F-08A」。ネイルのようにカスタマイズが可能

こちらはWindows Mobile搭載の「T-01A」。T-01Aの9.9mmという薄さを強調する永田清人氏

また、劇場版第3弾の公開を間近に控えた人気アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」とコラボレーションした「SH-06A NERV」(予定)もリリースする。SH-06Aをベースに、外装を変更し、待ち受け画面などの内蔵コンテンツもすべてヱヴァ仕様となっており、庵野秀明監督と製作会社「スタジオカラー」が全面的に監修を行っている。劇中の組織「NERV」の「官給品」という扱いで、実際に映画の中でキャラクターがこのモデルを使うシーンがあるという。

ヱヴァンゲリヲンケータイ「SH-06A NERV」

オリジナルコンテンツも満載

NERV特別仕様のデザイン

コンテンツ例

オリジナルの同梱物

オリジナルのキャラクター待受画面や声優のオリジナル着ボイスなど、映画の世界観を再現するコンテンツを豊富に搭載。映画公開後は、同映画のコンテンツを同端末限定でダウンロードすることもできる。ほかにも、専用キャリングケース「FRAME HOLDER 01」が付属。パッケージ、説明書も特別仕様となっている。

3万台限定発売で、2万台はドコモショップでの事前予約のみ。残りの1万台は発売日以降に全国量販店、オンラインショップなどで販売される。

2009年秋冬モデルにも意欲

山田社長は、景気後退の中でも出荷台数を昨年比2%程度の落ち込みに押さえたいと意気込みを語り、今年秋冬モデルも昨年同期の22機種並みの種類を用意する考えだ。売れ筋商品ではユーザーが長期利用してもらえるようにしていきたいとの目標を掲げるほか、部材、ソフトの共通化などのコスト削減、メーカーの海外進出など、「いろいろな施策をして、販売台数がそんなに落ち込まないように努力していきたい」としている。