ポケットに収まるコンパクトサイズをアピールしている「VAIO type P」

既報のとおり、ソニーは1月8日、長形3号封筒と同等の本体サイズを持つポケットスタイルPC「VAIO type P」を発表した。その発表会の模様をお知らせしよう。

発売されるのは、スタンダードモデル「VGN-P70H/R・G・B」と、FOMA HIGH-SPEED対応モデル「VGN-P80H/W」。「VGN-P70H/R・G・B」が1月16日、「VGN-P80H/W」が近日発売予定。市場想定価格は両モデルとも100,000円前後。

このほかVAIO・OWNER・MADEモデル「VGN-P90」も登場。発表前にメール登録していた購入優先権を持つユーザー向けに1月8日に発売し、価格は79,800円から。通常販売は購入優先権を持つユーザーへの販売以降となる。

「VAIO type P」を紹介するソニーマーケティング ITビジネス部門 部門長 松原昭博氏

発表会ではまず、ソニーマーケティング ITビジネス部門 部門長 松原昭博氏が「VAIO type P」の概要を説明。VAIOらしさを持つ小型モバイルマシンとして、ポケットスタイルPC「VAIO type P」を開発したとした。

ファッション性では4色のカラーバリエーションを用意し、光沢感のあるデザインにしている。さらに街を持ち歩くために最適な専用アクセサリーとして、本革キャリングケース、本体と同色のマウス、キャリングポーチを提供する。

上質な光沢を持った天板。これはガーネットレッド

ENERGY STARを除いて、シール類が排除されている

一見しただけはブラックにも見えるペリドットグリーン

こちらはクリスタルホワイト。同色のBluetoothマウスも専用アクセサリーとして販売される

本体右側面。USBなどのポートを備える

左側面にはUSBや電源ポートなどを用意している

ディスプレイ右上に有効画素数約31万画素のWebカメラ「MOTION EYE」を内蔵している

本体前面の左側にメモリーカード用のスロットを搭載している

専用アクセサリーとして販売されるマウス。以前から発売されているBluetoothマウスと同じだが、カラーリングをtype Pに合わせてある

type P専用のポーチ。こちらもマウス同様に、本体のカラーリングに合わせたものとなっている

外出時の活用ではどこでもインターネットに接続できることが重要。このため、無線LANを標準装備にするほか、下り最大7.2MbpsのNTTドコモのFOMA HIGH-SPEED対応モデルを用意した。

さらに、無線LANの電波情報から位置を特定する「PlaceEngine」を活用したアプリケーション「VAIO Location Search」をプリンストールするほか、FOMA HIGH-SPEEDモデルにはGPSを搭載。ソニースタイルジャパンが運営している地図情報サービス「PetaMap」と連携すれば、現在地の周辺情報が取得でき、街歩きがさらに楽しくなるとした。

日本では昨年の夏あたりからNetbook(ネットブック)の市場が拡大し、市場全体の20%を占めるほどになっている。しかし、今回のtype Pは、Netbookとは一線を画す形で開発を進めた。そのため、type Pは携帯電話と同じように、いつでもどこでも持ち運べて、手放せないPCとしてサイズ、ファッション性にこだわったモデルに仕上がったとした。

type Pが封筒のサイズとほぼ同じであることを説明するソニー VAIO事業本部 PC事業部 事業部長 赤羽良介氏

続いて、ソニー VAIO事業本部 PC事業部 事業部長 赤羽良介氏が、type Pの詳細について解説した。

type Pは肌身離さず持ち出すPCという新ライフスタイルを提案し、新市場を創造するために開発を進めた。最大の特徴は、片手でつかめてポケットにも収まるような小さな本体。幅245×奥行き120×高さ19.5mmの本体はちょうど長形3号の封筒と同等サイズで、このサイズの中に1,600×768ドットと高精細な8型ウルトラワイド液晶、タッチタイピングができるキーボードを実装している。type Uではなかなか大きくできなかったVAIOのコンパクトサイズ市場を、快適に操作できるキーボードを搭載することで、ブログやSNSというネットコミュニケーションの広がりにあわせて拡大を目指すとした。

重量はVAIO・OWNER・MADEで最軽量の選択をすることで約588gまでの軽量化が可能。500mlのペットボトルと同等の重さとなる。さらに薄さとスタミナの両立を実現。標準バッテリ装着時は4.5時間、大容量バッテリでは約9時間という駆動時間を達成している。

右が2100mAhの標準バッテリー、左が4200mAhの大容量バッテリー

大容量バッテリーを装着すると、このようにヒンジ部が持ち上がった感じになる

デザインの細部にもこだわり、フラットな面と曲線を組み合わせ、ポケットにもすっと入るような形に仕上げた。天板には堅牢なマグネシウム合金を採用し、宝石を磨き上げたような光沢ある仕上がりとなっている。

さらに、デザイン性を追求するために、目に見える部分からネジを排除。底面も天板と同様の処理を施し、凹凸や穴を極力排除した。PCに付きものの様々なステッカーも「ENERGY STAR」のロゴ以外は見えるところから排除するなどのこだわりも見せている。

持ち出したくなるようなユニークな機能も搭載。PlaceEngineもしくはGPSのレーダー機能を地図情報サービスのPetaMapを組み合わせることで、様々なサービスを実現している。自動車での外出時にはガソリンスタンドの検索が可能。周辺のスタンドを地図上に表示するだけでなく、各スタンドのガソリンの値段も分かる。不慣れな場所でもおいしいラーメン屋の情報を得ることも可能となっている。

チップセットがHDビデオのデコーダーを持つため、ハンディカムで撮影したAVCHDビデオをメモリースティック経由で視聴するなどの使い方ができる。

持ち出して楽しくなる機能としてGPSなどと地図情報との連携を説明

type Pのユニークな機能として紹介していたHDビデオ再生

type Pは外に持ち出すPCで、低価格にフォーカスしたネットブックとはマシンに対する考え方が異なる。そのため、プライベートなシーンで、本当に持ち出したくなるようなVAIOらしいサイズと使い勝手を実現したモデルとなっている。これにより、type Pはいままでになかった新しいライフスタイルを創造できるとした。

会場内に展示していたtype Pの分解モデル

type Pのメイン基板。中央上部がCPU

type Pのサブ基板。左下の銀色のスロットがSIMカードスロット