評価キットの構成とベンチマーク環境

Photo08: OPNはHDZ940XCJ4DGI。ES品ではなく製品版が届いた。

さて、それでは実際に今回入手したキットを紹介する。プロセッサは言うまでも無く「Phenom II X4 940 Black Edition」(Photo08)である。CPU-Zでの表記はこんな感じ(Photo09)。

Photo09: ベースクロックは200MHzのままで倍率が15倍に上がった。

組み合わされるマザーボードは、GIGABYTEの「GA-MA790GP-DS4H」であった(Photo10,11,12)。ちなみに付属するBIOSは、当初は未公開のF3がインストールされていたが、このF3はOSのインストール作業中になぜか壊れてしまい、DualBIOSの効果で自動的にリカバリーがかかったものの、リカバリー後のBIOSはF1。当時GIGABYTEのサポートページで公開されている最新版はF2なのでこれにアップデートは掛けたが、これは10月付けのものなのでPhenom IIに本来未対応である。その後、12月16日付けでVersion F3Hがリリースされたが、こちらを入手する前に評価を行ったため、今回はVersion F2を使っている事をあらかじめお断りしておく。

Photo10: 発売は昨年8月の本製品。AMD 790GXに128MBのLFB(ヒートシンクの下に隠れている)まで搭載した、「全部いり」のマザーボード。当初からDDR2-1066のサポートや最大2.6GHz(5.2GT/s)のHT 3.0リンクなどをサポートする。

Photo11: 電源は4+1フェーズ。かつてのGIGABYTEの製品といえば、電源のフェーズ数が異様に多いものがあったが、これは比較的常識的な範疇。

Photo12: 背面パネル。オンボードのRadeon HD 3300からDVIやHDMIまで出るため、バックパネルにそれらが並ぶ。もっとも今回、これらのオンボードグラフィックは未使用である。

その他の環境は表2に示すとおりだ。Core i7やCore 2も今回データを取り直したが、これはGraphics Driverなどが大幅にバージョンアップされていることを受けての対処である。従来のPhenom X4 9950については、今回AMDよりこれを借用して、同じマザーボード上で評価を行った(Photo13)。

Photo13: Phenom X4 9950。実売価格では\18,000程度まで下がっている。ちょっと可哀想な感じだが、発熱の多さを考えるとやむを得ないというところか。

また今回、Core 2系の評価には、私物のASUS「RAMPAGE FORMULA」を利用した。前回のCore i7の評価はDDR3で揃える為にMSIのX48 Premiumを使ったが、今回は評価対象であるPhenom系がDDR2のままなので、むしろDDR2同士での性能比較としても良いだろうと考えての事だ。

■表2
CPU Phenom II X4 940/920 Core i7-965
Extreme Edition
Core 2 Extreme
Edition QX9770
Phenom X4 9950 Core i7-920/940 Core 2 Q9650/Q9550
M/B GIGABYTE GA-MA790GP-DS4H Intel DX58SO ASUSTeK Rampage Formula
M/B Driver AMD Chipset Driver 8.522 Intel Inf Driver 9.1.0.1007 Intel Inf Driver 9.0.0.1008
M/B BIOS Version F2 SOX5810J.86A
.2260.2008.0918.1758
Revision 0701
Memory Corsair FM2X2048-6400C5×2 QIMONDA 1GB PC3-8500 CL7×3 Corsair FM2X2048-6400C5×2
DDR2-800 CL5-5-5-18×2ch (1067MHz×3ch) DDR2-800 CL5-5-5-18×2ch
Video MSI R4870-T2D512-OC
Video Driver AMD Catalyst 8.12
HDD HGST Deskstar HDP725050GLA360 500GB×2 (RAID0)
OS Windows Vista Ultimate+SP1 英語版

評価した構成は以下の11通りである。

Core 2 Q9550 Core 2 QX9770を2.83GHz(333MHz×8.5)設定で動作
Core 2 Q9650 Core 2 QX9770を3GHz(333MHz×9)設定で動作
Core 2 QX9770 Core 2 QX9770を定格動作
Core i7-920 Core i7-965を2.67GHz(133MHz×20)設定で動作
Core i7-940 Core i7-965を2.93GHz(133MHz×22)設定で動作
Core i7-965 Core i7-965を定格動作
Phenom9550 Phenom X4 9550を定格動作
Phenom II 2.6GHz Phenom II X4 940を2.6GHz(200MHz×13)設定で動作
Phenom II 920 Phenom II X4 940を2.8GHz(200MHz×14)設定で動作
Phenom II 940 Phenom II X4 940を定格動作
Phenom II 3.2GHz Phenom II X4 940を3.2GHz(200MHz×16)設定で動作

Phenom IIに関しては2.6GHz/3.2GHzという規定外の動作も試しているが、これは、

  • 2.6GHz - Phenom X4 9950と同一動作周波数にあわせることで、性能差を確認
  • 3.2GHz - Core i7-965/Core 2 QX9770と同一動作周波数にあわせることで、性能差を確認

という目的のためである。ちなみにベンチマークは、Core i7のプレビュー編と全く同じルールで実施している。ただSYSMarkのVersionが1.05に上がったり、不慮の事故でFar Cryが実施できなくなったので、これをテスト項目から抜く、あるいはLINPACKがAMDのプロセッサ上で実行できない(プログラム側で排除される)のでテストから外すといった違いはある。なおゲームベンチマークのルールはこちらに示した通りだ。