■消費電力
最後に、気になる消費電力である。測定項目はこちらと同様に、
Windows起動後の無負荷時(Idle)、Power SchemeがBalanced |
Windows起動後の無負荷時(Idle)、Power SchemeがHigh Performance |
SandraでArithmetic Benchmarkの実行中(Int/Float) |
Cache&Memory Bandwidthの実行中 |
TMPGEnc4 XPで4本のエンコード中 |
Lost PlanetでArea1の実行中 |
の7パターンを取ったが、そもそもマザーボードやメモリ構成が異なる上、消費電力の多いRadeon HD 4870なんぞを搭載しているから、絶対的な消費電力を比較しても余り意味がない。そこで、まずグラフ31には待機時の消費電力として、
Windows起動後の無負荷時(Idle)、Power SchemeがBalanced |
Windows起動後の無負荷時(Idle)、Power SchemeがHigh Performance |
をまとめた。一方グラフ32は、実際に測定した消費電力から、Idle(Power SchemeがHigh Performance)の値を引いた差を示している。
まずグラフ31だが、こちらでは概ね200W前後であり、Power Schemeを変更しても殆ど差はない。ただ面白いのは、Phenom 9950とPhenom II 2.6GHzを比較すると8W程度の消費電力削減があることだ。この2つはCPU以外全く同じ構成であり、CPUの絶対的な消費電力がこの時点でどの程度かを知る方法が無いから、これがPhoto03に出てきた「アイドル時最大40-50%削減」なのかどうかは判断のしようがないが、とりあえず消費電力が減っていることだけは確認できた。
続いて、実際の消費電力である。こうしてみると、やはりCore i7は性能も突出しているが消費電力も突出している。この消費電力、Hyper-Threadingを無効にすればガンと落ちるという話はこちらとかこちらで既にレポートした通りで、20~30%の消費電力増加があるが、それを考えてもCore i7は突出して消費電力が多い事になる。問題は、このCore i7に続くのがPhenom 9950ということで、さすがに消費電力の多さが問題になっただけの事はある。TMPGEnc4 XPに至っては、他のどのCPUよりも多い118Wもの消費電力増加となっている。
ではPhenom IIは、というとこれがなかなか優秀である。殆どの場合で、Core 2と同等かそれ以下に収まっており、元々の待機時の消費電力もCore 2とほぼ同等なので、現実問題として45nmのCore 2とほぼ同等の消費電力を達成している。