── その他の機能で興味深かったのは、逆光写真補正や小顔・美白補正です。これらはどうやって実現しているのですか?
酒井 逆光写真は、人物の顔を検出して、写真全体のバランスを考慮した補整を行います。補整の強度は人物と背景の明暗差に依存しますね。
小顔・美白補整もまずは人物の顔を検出します。小顔補整は自然な範囲で段階的に顔だけ小さくして周辺を調整し、美白補整はレフ版を当てたようなイメージへ補正します。

── 加えて、ノート罫線印刷と塗り絵機能も搭載していますね。
酒井 はい。どちらも、お子様にプリンタに親しんでもらうために設けました。ただし、塗り絵は大人の趣味としてもトレンドになっているので、より幅広い層の方に楽しんでもらえると期待しています。

── ノート罫線や塗り絵は、印刷した用紙に何か書き込むことを前提としています。しかし、EPシリーズは水分に弱い染料インクのみを採用していますが、実用面で問題はないのでしょうか?
酒井 染料インクのなかでも、耐水性に優れた「つよインク。」を採用しているので基本的には大丈夫です。とはいえ、やはり大量の水分が付くのは厳しいですね。たとえば、蛍光ペンとかマーカーで文字の上から引くような使い方をされると、多少の滲みが出てしまう可能性があります。

Colorioシリーズでは、「つよインク200X」を採用したモデルが顔料タイプとなる。写真は、4色顔料を使うプリンタ複合機の下位モデル「Colorio PX-501A」

── それは、インクジェット用ハガキを使った年賀状印刷でも同じですか?
鈴木 同じです。水がかかってもすぐに拭けば大丈夫ですが、雨や雪が長時間付いたままになっているのは厳しいですね。やはり水には顔料インクが強いので、そうした心配をされる方には、4色顔料を使った「PX-501A」などのモデルをおすすめいたします。

── 最後に、緒方拳さんについて質問させてください。緒方拳さんが新ColorioのCMやパンフレットに登場したのが印象的でしたが、亡くなってからすぐに見られなくなったのが残念でした。
鈴木 我々も本当に驚きました。哀悼の意を表する方法として、緒方さんが登場する広告素材を自粛する手段をとりました。緒方さんのCMは1週間しかテレビ放送しなかったのですが、お客様からは復活のご要望が多数寄せられましたね。これだけの反響は、やはり緒方さんの存在感のなせる技かなと感服しております。
現在は、お客様のご要望にお応えする形として、11月末まで、弊社のホームページでCMとメイキング映像を公開しておりますので、是非ご覧いただきたいです。

緒方拳さんの貴重なCMとメイキング映像が観られる特設ページ