exampleディレクトリ内には役立つサンプルがたくさん!
「<SDKのルートディレクトリ>/examples」ディレクトリには、現時点でも15個ものサンプルアプリが格納されている。Cocomoでできることのほとんどが網羅されていると言ってよい。どのサンプルも、Flex Builderのプロジェクト内にコピーして実行するだけで動かすことができるので、ぜひお試しあれ。
開発者用コンソール
「<SDKのルートディレクトリ>/extras」ディレクトリに、「CocomoDevConsole.air」というAIRファイルがある。このAIRアプリをインストールすると、Web上の開発者向けポータルと同等以上の操作を提供する、開発者用コンソールを利用できるようになる。
このコンソールを使って、ルームの権限管理やリソース管理、ログの閲覧などを行うことができる。Cocomo開発者にとっては必須のツールだ。
ローカルサーバ
同じく「<SDKのルートディレクトリ>/extras」ディレクトリに、「LocalConnectionServer.air」というAIRファイルも存在する。このAIRアプリは、Web上のサービスにアクセスすることなく、ローカルマシン上でCocomoアプリを動作させられるようにするためのものだ。
ローカルでCocomoアプリを動作させるためには、まずLocalConnectionServerをインストールし、起動しておく必要がある。
サーバを起動したところ |
そして、認証に「com.adobe.rtc.authentication.LocalAuthenticator」オブジェクトを使い、ConnectSessionContainerタグからroomURL属性を除去すれば、Cocomoアプリがローカルマシンのリソースのみを用いて動作するようになる。
...(略)...
<!-- userName属性には、任意の文字列を指定 -->
<rtc:LocalAuthenticator id="auth" userName="Shumpei Shiraishi" />
<!-- roomURL属性を削除 -->
<rtc:ConnectSessionContainer
id="cSession"
authenticator="{auth}">
...(略)...
このアプリも、開発時には必ずお世話になることになることだろう。
まとめ
駆け足ではあったが、Cocomoの解説はいったんこれで終わりとする。筆者の感想としては、開発効率の高さだけではなく、UIのリッチさ、動画や音声との親和性、きめ細やかな権限管理、そして何よりリアルタイムの応答性など、HTML + JavaScriptでは実現がかなり難しい機能も、いともたやすく実現してしまうのが非常な驚きである。FlexやFlash Media Server、LiveCycle Data Serviceなどを基盤技術に用いているのは間違いないだろう。
MAX 2008の基調講演で、「クラウド + クライアント」をコンセプトの柱として挙げていたことからも、こうした独自性の強いクラウドサービスを、これからも展開してくると考えられる。Flashテクノロジーをフル活用できると言う強みを活かして、Adobeは次にどんなアイデアを実現してくれるのだろうか。