日本AMDは13日、45nm SOIプロセスで製造されるデスクトップ向け次世代CPUのブランドとして、クアッドコアの「AMD Phenom II X4」、ならびにトリプルコアの「AMD Phenom II X3」を発表した。市場投入は「2009年第1四半期内の早い時期」(同社)。

日本AMDの土居憲太郎氏。45nm世代のPhenom、「AMD Phenom II」を発表

同発表は、「Shanghai」の開発コードネームで知られた新型Opteronの発表会の席上、あわせて言及されたもの。Phenom IIとShanghaiは同一のプロセッサダイを用いた製品であるため、基本的なプロセッサ・アーキテクチャは変わらない。よって、Shanghaiからの新テクノロジ、例えば省電力に貢献するAMD Smart Fetchなどは、Phenom IIでも同様にサポートするという。

「Phenom II」と同一アーキテクチャだとされる「Shanghai」のプロセッサダイ

製品名称としては、Phenom II X4/X3の後に、従来製品と同様に性能のグレードをあらわすモデルナンバーが続く。また、Phenom IIを中心に、AMD 790FX/GXチップセットとAMD Radeon HD 4000シリーズGPUを組み合わせた際のプラットフォームが、「Dragon Platform」と定義されることも明らかになった。

ちなみに、45nmベースの次世代Phenomでは、以下すべて開発コードネームで、クアッドコア/L3 6MBの「Deneb」、そのトリプルコア版の「Heka」、クアッドコア/L3無しの「Propus」、そのトリプルコア版の「Rana」という、4種類の異なるプロセッサダイが存在することが既に公開されている。

「AMD Smart Fetch」テクノロジ。アイドル状態のコアを"halt"stateにして消費電力を削減。halt対象コアのL1/L2が持っていたデータは、共有L3に退避させる

一方で、前述のSmart Fetchなどは、L3キャッシュの搭載を前提としたテクノロジであるため、L3を持たないPropusおよびRanaが、"Phenom II"に含まれない可能性を考えることもできる。同件を含め、現状では依然として不明点が残るが、日本AMDでは、「後日、詳細を発表予定」とコメントしている。