米カリフォルニア州ロサンゼルスのLos Angeles Convention Centerで5日(現地時間)より米Microsoftのハードウェア開発者会議「WinHEC 2008」が開催される。前週のPDC 2008から続けての同会場でのイベントだが、今回はすでにWindows 7の正式発表が行われた直後であり、発表内容もWindows 7の実装や互換性など、より完成品に近い話題が中心になるものと思われる。まずは4日にプレビューという形で公開された展示会場の様子を簡単に紹介しよう。

会場はWindows 7の展示一色

先週のPDCの際は正式発表前ということもあり、Windows 7の露出はやや控えめな印象があった。むしろWindows AzureやOsloといった次世代技術の本命にスポットが当てられていた感もあり、相対的にWindows 7が陰に隠れてしまっていたのかもしれない。だがWinHECではクライアントサイドに近い周辺デバイスが主役であり、むしろWindows 7のほうが話題の中心だ。展示会場ではMicrosoftブースのほか、複数のメーカーがWindows 7でのハードウェア対応をアピールするデモを展示していた。

MicrosoftブースではWindows 7に関するさまざまな展示を行っていたが、中でも注目はやはりマルチタッチの体験コーナーだろう。会場にはマルチタッチ対応のディスプレイやHPのデスクトップPCが展示され、自由に対応アプリケーションで楽しめる環境が用意されている。PDC会場ではSurfaceが大量展示されていて自由に体験できたが、筆者自身もWindows 7のマルチタッチを直に体験するのは初めてだ。最もわかりやすいのは地図ソフトで、拡大/縮小/回転/スクロールなどを自由に行って世界巡りを楽しめる。ただ実験的なレベルなのか、指を離した後に予想もしないような動きを見せたり、思ったように動かせないなど、マルチタッチの扱いの難しさが感じられた。また平面地図をつないだだけなので回転させても文字は逆さのままだったりと、よりアプリケーション側の工夫が求められると感じる内容だった。

会場内に展示されたWindows 7のマルチタッチ体験用デモ。快適そうに操作しているが、実際は思うように動かせずにけっこう苦労している

PDCではメモリが1GB未満のネットブックでWindows 7を動作させるデモが披露されていたが、WinHECの展示会場でもノートPCのコーナーでWindows 7をインストールしたネットブックが大量展示されていた。基本的には現行のネットブック製品をそのまま使用したもので、とかく「重い」と酷評されているWindows Vistaとは違うという点を前面に押し出している様子がうかがえる。実際触ってみても、この手のマシンでVistaを動かしたときのような特有のもたつきはほとんど感じられなかった。ただインストールされているWindows 7はプリベータ版のため、見た目上はVistaとほとんど変わらない。今後の製品版リリースでどのようにMicrosoftがWindows 7を調整してくるかに注目したい。

ノートPCブースに展示されていた富士通のLifeBook。SideShowをタッチパネルにし、アプリケーションランチャーとして利用している

Windows 7プリベータ版をインストールしたネットブック群。軽さをアピールするデモだ