ウィルコムが1月のCESに出展したプロトタイプ。実際の製品では外観が大幅に変わる可能性もあるという

ウィルコムは3日、1月に米国で開催された「2008 International CES」に出展したプロトタイプをベースとする、Windows Vista搭載端末を商品化すると発表した。同日インテルが発表した低消費電力CPU「Atom」を採用し、端末の製造はシャープが行う。発売予定時期は6月で、4月下旬に正式な製品発表会を開催する。

同日発表されたのは、CPUにAtom、OSにWindows Vistaをそれぞれ採用し、シャープの高精細ワイド液晶を搭載するということのみで、それ以外の仕様や形状などは4月の正式発表時に公表するとしている。製品に関係するベンダーの顔ぶれはWindows Mobile搭載スマートフォン「W-ZERO3」と共通だが、W-ZERO3シリーズとは別の新しい製品ラインナップとして展開するという。CESに出展したプロトタイプ端末を発展させて商品化するが、外観はプロトタイプとは大幅に異なったものになる可能性があるという。

ウィルコムは発表資料の中で、今回の新製品を「次世代PHSで実現を目指すワイヤレスブロードバンドでのモバイルコミュニケーションスタイルも視野に入れた革新的な製品」と位置づけているが、これは、次世代PHSで目指す新しい利用スタイルを新製品で先取りするという意味であり、発売時点では現行のPHS網を利用することになる。アップグレードで次世代PHSへ対応可能な設計となっているかは不明。

同日インテルが発表したAtomは、「Silverthorne」の開発コードネーム(PC向けはDiamondville)で呼ばれていた携帯情報機器および低価格PC向けの低消費電力CPU。PCで多く採用されているCPU「Core 2 Duo」と命令セットで互換性があり、TDP(熱設計電力)は0.6~2.5W程度、動作周波数は最大で1.8GHzまで高めることができるという。