カプコンから1月31日に発売された『デビル メイ クライ 4』。プレイステーション 3版とXbox 360版が同時リリースされ、両プラットホームで本体同梱パックが用意されたという、ゲームの世界観に匹敵する壮大な販売展開で市場をにぎわせた作品である。筆者は既報の完成披露会にも出席したが、そこで映画館の大画面でも耐えうるデモパートの映像クオリティを確認してきており、プレイを開始する前から、期待に胸が高まるのを抑え切れなかった。

「デビル メイ クライ」シリーズのおさらい

まずレビューに入る前に、ここで「デビル メイ クライ」シリーズを軽くおさらいしておこう。シリーズ処女作の『デビル メイ クライ』は、2001年8月に"スタイリッシュ ハードアクション"というジャンルで発売された。悪魔と人間のハーフである主人公・ダンテが、母の仇でもある魔帝ムンドゥスとその配下の悪魔と戦う……といったストーリー。この処女作のヒットを受け、ゲームは『2』、『3』とシリーズ化され、TVアニメ、小説などでも展開されている。ちなみに物語の時間軸はゲームだけに限定した場合、『3』→『1』→『4』→『2』の順番となるようだ。

シリーズ共通の基本攻撃として、ダンテは剣(またはそれに相当する武具)と銃火器が使え、方向キーと攻撃ボタンの組み合わせによって多彩なコンボ(連続攻撃)を生み出すことができる。特筆すべきことは、このシリーズには「EASY AUTOMATIC」と呼ばれるシステムが存在することだ。これにより様々な攻撃を簡単な操作で繰り出せるので、アクションが苦手な人や初心者でも中級・上級者並に敵を斬りまくる爽快感が味わえる。このシステムの存在が、シリーズの間口を広くした大きな要因のひとつであるともいえるだろう。

「デビル メイ クライ」といえば「ダンテ」だが、最新作ではなんと主人公の座を奪われる……。とはいえ、登場しないわけではなく、主人公のお株を奪うくらいの大活躍っぷりをみせる

ゲームはミッション制を採用。同社の「バイオハザード」シリーズの影響が色濃く出ており、ダンジョン構造になっているフィールド内でアイテムを探し回るなど、謎解き要素が中心となる。そのため「デビル メイ クライ」シリーズは、ただキャラクターの性能を引き出して敵を安易に倒せたとしても、頭を働かせないと先に進めない。その一方で、謎は解けても要所要所に出現する中ボスに勝てないと、やっぱり先に進めない。といった感じで、まさに絶妙なバランスで構成されているゲームといえる。

というわけで、新主人公はネロ(左)。『デビル メイ クライ 4』はネロと、その幼馴染の「キリエ」(右)を中心にストーリーが展開される

しかし、これすらも1度クリアしてしまえば、謎解きの内容は難易度に関わらず共通のため、普通なら「はい、全ミッションクリア。ほかのゲームで遊ぶ」となってしまう。しかし「デビル メイ クライ」シリーズは、全てのミッションをクリアしてもプレイヤーを飽きさせない仕掛けがちゃんと用意されている。

その仕掛けとは、ミッションクリア後のリザルトで表示される被ダメージ、ミッションクリアまでの所要時間、敵を倒したり道中拾えるオーブと呼ばれる魔石の取得数などを総合的に評価する"デビルハンターランク"の存在。基本、最高のSに、以下A~Dの評価が下される。これをいかに上げていくか。さらに「NORMAL」クリア後に「HARD」がプレイ可能になるなど、段階的に出現するモード(シリーズによって呼称に違いアリ)の出現もプレイヤーのチャレンジ精神に火をつける。しまいには「DANTE MUST DIE!」なんていう、シリーズ共通の最高難易度も出現。正直、アクションゲームにはそれなりの自信がある自分も、最終ミッションまでクリアしたことがない……。

そんな筆者が待ちに待ったこの『デビル メイ クライ 4』。今回はプレイステーション 3版を入手したので、早速プレイを開始……と思ったのだが、ディスクを本体に挿入すると、まずはHDDにインストールを開始。だいたい20分程度で完了する。まあ、これはプレイへの通過儀礼といったところなのであまり気にせず、L'arc~en~Cielの歌うテーマソングを堪能。同時に画面に映し出されるシリーズのダイジェストストーリーやキャラ紹介を見つつ、プレイへの意欲を高める。

『デビル メイ クライ 4』は、プレイステーション 3とXbox 360のダブルプラットホームで展開されている。今回はプレイステーション 3版でプレイしたが、基本的に両者の間にちがいはない

HDDへのインストールも終わり、ゲームスタート! 初めはシリーズ経験者向けの難易度に該当する「DEVIL HUNTER」を選択。さらに『デビル メイ クライ 4』からは全難易度で設定可能になったAUTOMATIC(様々な攻撃が簡単な操作で繰り出せる)を適用した。なお、これまでのシリーズ経験者なら同意してくれると思うが、初プレイはデビルハンターランクを気にせずプレイすることにした。なぜならスタイリッシュランク(攻撃・回避方法に下される評価)でいくら高評価を得ようとも、ミッションの謎解きによるタイムロスに足を引っ張られてしまう。そのため初プレイ時は、概ね総合的な高評価を得るのが難しいからだ。

とりあえず最初のプレイなので難易度は抑えめで。決して自信がないわけではない……。