ついに『デビル メイ クライ 4』を体験! その新たなるアクション要素とは?

『デビル メイ クライ 4』の主人公は「ネロ」。これまで同シリーズをけん引してきた「ダンテ」でないのは少々残念だが、悪魔の右腕と呼ばれる"デビルブリンガー"による攻撃が特徴となる。今回、このデビルブリンガーを使ったアクションにより、多彩な連続攻撃と移動方法が追加され、さらにプレイの幅が広がっている。詳しく説明すると、デビルブリンガーによるスナッチ(引き寄せ) & バスター(叩きつけ)に武器攻撃をつなげることで、新たなる連続攻撃のバリエーションを生み出せるようになったのだ。例えばこれまでなら、「スティンガー」という突進系の攻撃で敵との間合いを詰めて……という方法を用いたコンボも、スナッチを使用して逆に相手を引き寄せてコンボ始動という戦法もとれるようになった。

青白く光る、主人公・ネロの悪魔の右腕「デビルブリンガー」がプレイの幅を広げる

敵をつかんで叩きつける。さらに武器攻撃でコンボ……。プレイアブルキャラクターとして、ダンテに負けない魅力を放つネロ

プレイヤーは、ステージによってネロとダンテを強制的(選択不可)に使用しなければならない。もちろん、『1』~『3』までの主人公・ダンテも今回、いつでもスタイルの変更が方向キーで行えるようになり、各場面ごとに最も適したスタイルを瞬時に選択可能になっている。また、操作感は『3』のダンテに最も近く、これまでシリーズを通してプレイしてきた人にも安心して楽しめると思う。しかし、一度デビルブリンガーを使用する楽しさを味わうと、若干物足りなさを感じてしまったのは筆者だけだろうか?

"トリックスター"、"ガンスリンガー"、"ソードマスター"、"ロイヤルガード"など、『デビル メイ クライ 4』ではダンテのスタイルチェンジが瞬時に行える。なお、現在のスタイルは画面左上に表示される

何の変哲もないトランクが一瞬で乗物になってしまう……。あまりに奇想天外なダンテの武器、「災厄兵器パンドラ」

まあ、こう感じてしまうのもデビルブリンガーを攻撃・移動システムに加えた開発陣の術中に、素直にハマってしまったということだろう。

デビルブリンガーも徐々にパワーアップ。右の画面のようにデビルブリンガーを駆使すれば、画面の端から端まで移動するなんてこともできるようになる。これはも、一度経験するとヤミツキになること請け合いだ

デモパートの出来栄えは?

オープニングやエピローグ、各ミッションで所々入るデモ映像はすべてリアルタイムで動いており、2時間以上の分量が用意されている。どれも細部にわたって描画が行き届いており、感動ものの完成度といえる。デモ映像、プレイ画面ともにリアルタイムでの描画となっているため、画面が切り替わってもほとんど違和感は感じられない。こちらはぜひ、ハイビジョンのテレビで見ていただきたいと思う。BGMも聖歌やタンゴ、クラシックなど多彩なジャンルが用意されており、場面場面を引き立たせるのに一役買っている。さらにシリーズのファンはニヤリとさせられるBGMも多数あるので、ノリノリのミュージックを聴きながら敵を叩き斬っていただきたい。

映像の美しさはさすが次世代機といったところ。ぜひともハイビジョン環境で楽しみたい

余談だが、エンディングでスタッフクレジットが流れる際に戦闘があるが、そこで制限時間内、悪魔からキリエを守るとうれしいことが……。内容は自分で確認してほしい。まあ、エンディングまで行けた人なら余裕だと思うし、そんなの知っているよ、という人も大勢いるかとは思うが念のため。

ちょっと残念なところも……

シリーズ最高の"スタイリッシュ"さを誇る『デビル メイ クライ 4』だが、やや残念な点もある。ひとつはシークレットミッションの全体的な難易度。アクション初心者にも遊べるように調整されている通常ミッションとは逆に、シリーズ最高の難易度では? と思えるほど難しい。また、ネロがダンテを超えるほどの主人公ぶりを発揮できなかったところもちょっと不満。これは個人の思い入れに差が出ると思うが……。付け加えて、クリア条件は異なるものの、ネロとダンテの行動するフィールド(マップ)がほぼ同一で、視覚的に目新しさに欠けるミッションが多いことも、少々いただけないポイントである。

シークレットミッションをクリアすると"オーブ"などが入手できるので何とか頑張りたいところだが……

最後にMAPが地形表示と1カットの画像のみで相変わらず使い物にならない。どこに向かえば良いかの指針にもならず、意味がないように思える。これはシリーズを通していえることなので、次作があるならばぜひ改善してもらいたいところだ。

ハードを持っているなら(ハードを買ってでも!?)オススメの1本

今回の『デビル メイ クライ 4』は、「NORMAL」で比較すると難易度的に『1』と『3』の中間と考えて良いのではないだろうか。もちろん、前述したようにすべてのモードで最初から「AUTOMATIC」が使用可能になり、多少アクションが苦手な人にも楽しめるよう間口を広げられているのは、歓迎すべきことだ。過去シリーズ中、最もアクションが洗練され、斬る、撃つという行為の爽快さが最大限活かされている。そしてさらに今回追加された、つかむ、引き寄せる、叩きつけるアクションがプレイヤーにとって新たな刺激と敵を倒す快感につながり、さらなる難易度に挑戦させる気を奮い立たせてくれる。

この『デビル メイ クライ 4』は新主人公のネロによる新たな「デビル メイ クライ」シリーズにつながっていくかは、今のところ知る由もない。しかし、デビルブリンガーはネロ固有のアクションであり、真主人公のダンテに今後似たような装備を着けるわけにもいかないだろう(『3』の登場武器"カリーナ=アン"の先端ナイフを使用するとか?)。

レディ(左)やトリッシュ(右)といったおなじみのキャラクターも登場する

映像面はもちろん、初心者から上級者まで遊べる間口の広さなど、ゲームの完成度については、これまでに発売されたアクションゲームのなかでもかなり高いレベルにあると言っても過言ではない。アクションゲームというものは、多かれ少なかれプレイヤーを選ぶ傾向にあるが、万人にオススメできる仕上がりは素直に称賛できるところだ。……ただし、血やグロい描写が苦手な人にはオススメできない。

それでは次なる高み(難易度クリア)を目指して、「Let's Rock!」といきましょうか!

ゲームタイトル デビル メイ クライ 4
対応機種 プレイステーション 3 / Xbox 360
ジャンル スタイリッシュアクション
発売日 1月31日
価格 8,390円 (プレイステーション 3 / Xbox 360)
CEROレーティング C (15才以上対象)

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