注意したいポイント

通話料で注意したいのは、"着信への課金"。日本では、原則的に着信側への課金は行われていないが、国際ローミング時にはかかってきた電話を取るだけで料金が発生する。前ページの表で見ると、台湾でドコモのケータイを使用し、日本からの着信を受けた場合、1分あたりの着信料は145円。auは180円、ソフトバンクは70円(Chunghwa Telecomの場合)となる。ウィルコムの国際ローミングは少々特殊だが、日本の番号への着信は1分200円だ。

また、友人や家族と旅行した場合、現地での連絡用に国際ローミング端末を利用することもあるだろう。先にも述べた通り、このケースでもいったん日本を経由している。料金表に「滞在国内」という項目があるため、一見安いように思い込みがちだが、これはあくまでも現地で契約したケータイや固定電話に電話した場合のこと。国際ローミング中のケータイ同士で電話する際には、日本を経由しているため、「日本向け」の料金が適用されることを覚えておきたい。

ただし、ウィルコムはこの限りではない。ウィルコムの国際ローミングは少々特殊で、申し込み時に「現地の番号」を発行する形を取る。つまり、日本から持ち込んだPHS端末を、そのまま"現地の端末"として使用できるのだ。滞在中、発行された現地番号を使って通話するのであれば、料金はその国の「国内通話」ということになる。PHS同士であれば、1分あたりの通話料は40円。現地番号に電話がかかってきた場合は着信も無料で、他社に比べかなり割安だ。

テレビ電話やパケット通信も、国内での使用に比べればかなり割高だ。パケット定額制も当然、適用されない。国内感覚でパケット通信を利用しすぎると、後で高額な請求が届くことも予想される。通信を多用するアプリや動画の視聴はもってのほかだ。事前に利用額の制限を設定したり、通信を控えたりと、何らかの工夫をしておきたい。また、メールマガジンなどの着信にも課金されるため、メールの自動着信を控えるようにしておくべきだろう。

SIMフリー端末+プリペイドで現地番号も使える

ケータイでも、現地で格安の端末(SIMロックのかかっていないもの)とプリペイドのSIMカードを入手すれば、ウィルコムのように現地の番号を利用できるので、滞在国同士の通話が割安になる。知識や語学に自信のある人は、この方法を試してみるのもよいだろう。(参考記事:マカオの携帯電話事情 自動販売機で携帯やプリペイドSIMカードが買える)