日陰+人物で光の変化を見る

前ページと同様に、今度は屋外で人物を使って試してみた。光がわかりやすいように日陰で撮影している。

前ページの模型撮影と違うのは、カメラや外部ストロボの高さをモデルに合わせていること。逆光(真後)では髪の毛の部分が光り、輪郭を浮き立たせている。これもポートレートなどで見かける手法だ。「右後」「左後」など、斜め後方からの光でも、顔の横の部分がハレている。横からの光でも同様だ。自然光ではまずありえない光で、ちょっとおもしろい。前方からの光はごく自然になる。ずいぶん光が弱く見えるが、すべてTTL調光まかせで撮影しており、補正はしていない。カメラがそう判断するのだろう。

また、ここに掲載したのは内蔵ストロボ、外部ストロボとも補正±0のもの。外部ストロボをプラス補正にしたり、ストロボを少し上にもち上げたものも撮影したが、"それなりに光が変化する"という当たり前の結果だったので掲載していない。

日陰での撮影風景。ストロボの距離は1m程度。設定はすべて同じ
D80+DX VR 18-200mm F3.5-5.6G
40mm(60mm相当)
Large+FINE(JPEG)
プログラムAE
WB:オート
ISO 100

ストロボなし

内蔵ストロボのみ

外部ストロボ:右前

外部ストロボ:右横

外部ストロボ:右後

外部ストロボ:真後

外部ストロボ:左後

外部ストロボ:左横

外部ストロボ:左前

順光では後ろに置かないと意味はない

日なたで外部ストロボがどのように効果を見せるか、チェックしたのが以下の画像だ。この日は真夏の晴天下で、まともに太陽に向かうとモデルさんが目を開けていられないぐらい光が強かった。そのためか右前や横からの外部ストロボはほとんど影響していない。しかし右後や真後に置けばハレが入ってくる。順光でも外部ストロボの置き方によっては効果が期待できそうだ。また「内蔵ストロボのみ使用」でも撮影したが、「ストロボなし」と全く変わらなかったので掲載していない。

順光での撮影風景。設定はすべて同じ
D80+DX VR 18-200mm F3.5-5.6G
34mm(51mm相当)
Large+FINE(JPEG)
プログラムAE
WB:オート
ISO 100

ストロボなし

外部ストロボ:右前

外部ストロボ:右横

外部ストロボ:右後

外部ストロボ:真後

逆光なら太陽と別の位置にストロボを置く

上記と逆に、逆光でどのように効果があるかを試したのが下の写真。逆光なので、もちろん効果はある。右前からの光は顔を立体的にし、横や斜め後ろからの光はアクセントを与えてくれる。ただ、背後からの光は太陽と方向が同じになるため、あまり効果が得られない。ちなみに、最初は完全に太陽を背負った逆光で撮影しようとしたのだが、レンズに光が入るために安定した写真にならず、少し角度のついた逆光で撮影している(太陽が少し左にある)。

順光での撮影を含めわかったことは、太陽と同じ方向にストロボを置いてもあまり意味はない、という当たり前のことがひとつ。それでも太陽とは違う方向から照らせば、順光でもそれなりに効果が得られる。特にストロボを逆光ぎみで照らすとハレが表れておもしろい写真になりやすいようだ。

逆光での撮影風景。設定はすべて同じ
D80+DX VR 18-200mm F3.5-5.6G
50mm(75mm相当)
Large+FINE(JPEG)
プログラムAE
WB:オート
ISO 100

ストロボなし ※これのみ38mm

内蔵ストロボのみ

外部ストロボ:右前

外部ストロボ:右横

外部ストロボ:右後

外部ストロボ:真後