外部ストロボをワイヤレス補助灯に
ではワイヤレスストロボの設定を見ていこう。以下、ニコンの「D80」と「SB-600」の組み合わせで説明している。
外部ストロボは、カメラのアタマに付いているホットシューに取り付けて使うのが標準だ(クリップオン)。初期状態でもそうなっている。ワイヤレスストロボとして使うなら、信号を受け取れるように設定しなければならない。SB-600は操作が少々面倒だが、表示パネルに「ワイヤレス補助灯表示」が出ればOK。写真の赤○で囲んだ部分だ。
次にグループとチャンネルを決める。グループは前ページの図で示したようなストロボのグループ分けのことで、グループごとに露出を調整できる。ニコンでは2グループまたは3グループまで制御可能。チャンネルは近くに同機能を使っている人がいる場合、混信を避けるためのもので、1~4チャンネルのうちひとつを選択する。例えばカメラが「1ch」、ストロボが「2ch」になっていると発光しないので注意。
外部ストロボはそのまま置くと不安定なので、付属のスタンドを使って設置する。このスタンドには三脚穴も開いていて、今回の撮影でもたいへん重宝した。またSB-600の場合、カメラからの信号を受ける部分(ワイヤレスリモートセンサー窓)はストロボの側面に付いている。カメラの左側にストロボを置く場合はそのままでいいが、右に置く場合は発光部を回転させて、受信部をカメラに向けるのがいい。発光部は270°回転する。しかし室内のような閉じられた空間なら光が回り込むので、受信部が反対側を向いていても、まず問題なく使える。
ワイドパネルは光を拡散させ、照射角を広げるもの。これについてはのちほど触れよう。
カメラ側で光のバランスを調整する
あとはカメラの設定だけだ。D80の場合「カスタムメニュー」の「22」、「内蔵フラッシュ発光」で設定する。このメニューから「コマンダーモード」を選択すると、発光モードや補正量のメニューが開く。これがワイヤレスストロボの全設定といってもいい。
まずチャンネルは外部ストロボと同じ数値にしておく。発光モードは「TTL」が基本。マニュアルでも撮影できるが、慣れてからにしよう。今回の撮影はすべてTTLで撮影した。また発光モードの「--」は、そのグループは発光させないという意味。今回は内蔵ストロボと外部ストロボ1台(Aグループ)のみだったので、下の画像ではBグループが「--」になっている。
そして「補正量」。これは撮影した画像を見ながら設定する。変更単位は1/3段ステップ。基本は「0」だが、外部ストロボを強めにしたほうが面白い写真が撮れることが多い。ちなみに光量は外部ストロボと被写体の距離でコントロールできなくもないが、TTL自動調光が働いていると、多少動かしたぐらいでは明るさの変化が表れないこともある。素直に補正量で調整したほうがいいだろう。