「OpenKODE」はオープンプラットフォームなDirectX!?

組み込み系のオープンプラットフォームAPIとして、グラフィックスがOpenGL ES、ベクターグラフィックスがOpenVG、メディア処理がOpenMAX、サウンド処理がOpenSL ESとしてリリースされてきたことで、かなりマルチメディアコンポーネントAPIとして確立してきた感がある。そうなると次なるステップとして浮かんでくるのが、これらを統合環境として提供していこうというアイディアだ。あえていうならば、KhronosのOpen○○○群を統合して「オープンプラットフォームなDirectX」として提供していこうという発想だ。

そこで提唱されたのが「OpenKODE」だ。KODEはKhronos Open Development Environmentの略になる。

OpenKODEはKhronosのAPIのスイートセット

「当初は、単なるAPIのスイートセットのような定義で始まったOpenKODEだったが、業界から、スレッディングもサポートして欲しいというフィードバックがあり、これに対応することを決断した」(Trevett氏)

そこで新たに追加されたのが「OpenKODE Core」というOS抽象化ファンクションだ。

ハードウェアに密着した部分の実装はハードウェアに依存するが、基本的なファイルシステムやイベント管理、スレッド管理、C言語の標準ライブラリ程度の数学関数などのAPIを実装したものがOpenKODE Coreになる。これはUnix系OSの原形APIである「POSIX:Portable Operating System Interface」をベースにしたものになる予定だという。語弊のある言い方になるが、OpenKODEはマルチメディアコンポーネントAPIに加え、ミニOS的なコアまでを兼ね備えたものになる、ということだ。

OpenKODE CoreはPOSIXベースの非メディア系一般APIコンポーネントも含むことに

OpenKODE 1.0はOpenKODE Core+OpenGL ES 1.1+OpenVG 1.0の組み合わせになり、これは2007年内に正式リリースが予定されている。

OpenKODE 1.1はOpenKODE 1.0に前述した、現在規格策定中のOpenSL ES 1.0とOpenMAX DL 1.0 / IL 1.0 / AL 1.0が加わったものになり、これは2008年のリリースになる予定だ。

組み込み機器の主流は非マイクロソフト系プラットフォームがまだまだ多いので、このOpenKODE構想は好意的に受け止められているようだ。そのため、OpenKODEへの対応は業界的には積極的に進められているという。

OpenKODEのロードマップ