OpenGL 3.0発表! ただしプログラマブルシェーダ4.0をサポートせず

「OpenGL」はプラットフォームに依存しない、オープンプラットフォームな3DグラフィックスAPIだ。ズバリ例えるならばマイクロソフト系で言うところのDirect3Dに相当するもので、非Windowsプラットフォームにおいては、毎年登場している最新GPUの新機能を活用して3Dグラフィックスを実現するためには欠かせない存在だといえる。とくにワークステーションやMacユーザーにとっては、活用できるグラフィックス環境の進化は実質的にOpenGLの進化と透過といってもよく、期待度は大きい。

昨年はOpenGL 2.xシリーズの最終版ともいえる、OpenGL 2.1が発表されたが、今回は、メジャーバージョンアップとなる「OpenGL 3.0」が発表された。

OpenGL 3.0は予想に反してOpenGL 2.1からの実質マイナーチェンジ版

OpenGL3.0はバージョン番号こそメジャーバージョンアップされているものの、OpenGL 2.1と比較して機能面で大きな革新はなく、プログラマブルシェーダアーキテクチャに最適化を施したシェイプアップバージョンというイメージが正しい。具体的には、これまで増築を重ねて肥大化した固定グラフィックスパイプライン関連の機能の削除などが行われている。

ちょっとややこしいのが、OpenGL 3.0は、この後、年内、もしくは年明け早々にバージョンアップするかもしれないということ。これは「OpenGL Longs Peak Reloaded」というコードネームで開発が進められているもの。もともとOpenGL 3.0が「Longs Peak」という開発コードネームだったので、読んで字のごとく、マイナーチェンジが施されるという解釈でよい。

OpenGL 3.0の完成形が「OpenGL Longs Peak Reloaded」となる。業界的には、OpenGL 3.0ファミリーの注目度は低いと言わざるを得ない。本命はどう考えても次の「Mount Evans」だ

残念なのはDirectX 10世代、プログラマブルシェーダ4.0(SM4.0)対応のGPUのフルスペックにOpenGL 3.0が対応できなかったという点。Windows環境はWindows Vistaリリースと共にDirectX 10のサポートとSM4.0への対応が開始され、ジオメトリシェーダが活用可能になっているが、非Windows系ワークステーションやMac環境では、しばらくこれらの機能が活用できないと言うことになる。

OpenGLはDirectX 10世代/SM4.0対応GPUサポートの前に一度、機能の仕切り直しを図る