企業と顧客の関係性
企業と顧客との関係は、単純な「商品を売る-買う」というだけにとどまりません。頻繁に通ってくれる常連客や、強い信頼を寄せてくれるお得意様、高額商品を購入してくれるVIP客、そして、企業の宣伝大使として振る舞ってくれるロイヤルカスタマー。企業をアーティストにたとえるなら、こうした顧客像は「ファン」と呼べるかもしれません。
実際、新製品の発表会が、熱狂的なライブのようになっている企業もあります。そのブランドや企業に対して、絆とも呼べるような強い感情を抱き、積極的に応援してくれるファンが会場に多数出席しているのです。
このように顧客が「ファン」となってくれることは、売上を一時的に増やすこと以上の、深いビジネス効果をもたらしてくれます。
たとえば彼らは、競合他社でなく自社の製品・サービスを繰り返し購入・利用してくれる傾向にあります。高価な製品や限定版、オプションサービスなどについても前向きです。ファンの増加は、顧客単価とリピート率の向上をもたらし、経済的な安定性を企業に提供してくれるというわけです。
また、積極的に製品・サービスについて話をしてくれることも、ファンのありがたさです。SNSによって人々の発信力が増した今、クチコミは新たな顧客の獲得やブランドイメージを高めることに大きく影響します。ファンによる口コミや推薦は、企業自身が打つ広告やプロモーションよりも信頼性が高く、コストパフォーマンスに優れています。
こうしたファンは、製品・サービスの改善に向けたフィードバックにも積極的です。彼らの意見を上手に取り入れることができれば、新製品開発の成功率を高めることができるでしょう。ファンとしての顧客は、ブランドや企業の「持続的な成長」を助けてくれるのです。
顧客の“ファン化”に必要なこと
では、どうすれば顧客をファンにしていくことができるのでしょうか?
それにはまず、「顧客をできる限り理解しようとすること」から始まります。恋愛において、相手の好みも知らないままアプローチしたって、なかなか上手くはいきませんよね。顧客の“ファン化”も同じです。
まずは既存顧客の購買行動や取引履歴、ウェブサイトの訪問状況、アプリの利用状況といったデータを収集すること。そして統合的な分析をすることで、パターンやトレンド、グループを導き出すこと。データ活用によって、「その人」はどんな嗜好の持ち主なのか、今後どう行動していくのか、顧客像が見えていきます。
データを一律に扱うことは、個々別々の性格を持つ人々に対し、同じメッセージを伝えることに繋がります。それでは、せっかくのマーケティング施策も興味に合わず、響かない可能性が高くなってしまうでしょう。30年来のファンに対しても、新規の顧客と同じメッセージを伝えていては、感謝の思いを感じさせることは難しいものです。
デジタルでも優れた顧客体験を提供できている企業は何をしているのか?
-CDPの活用事例
まずは顧客のニーズを理解すること、そして、個別化されたアプローチを狙い澄ましたタイミングで実行することです。
また、企業と顧客間の対話を促進することも、深い関係を築く手助けをしてくれます。
たとえば、顧客からのフィードバックを積極的に受け取っている企業は、アイデアの共有や意見交換、投票機能などを設けたプラットフォームを用意し、製品やサービスの改善に活用しています。
カスタマーサポートに力を入れている企業は、電話やチャットなどで、問い合わせに可能な限り速やかに対応します。顧客のデータは共有されており、「たらい回し」にするようなことはしません。時にはじっくりと時間をかけて、顧客の抱えている課題感と向き合うこともします。
顧客同士の積極的な交流を促すために、イベントやコミュニティを構築する企業もあります。近年はSNSの投稿やYouTubeの動画といったユーザー生成コンテンツ(UGC)の影響力が増しており、投稿を促すような戦略も注目されています。
顧客中心主義を実現するTealiumのCDP
顧客を“ファン化”する取り組みの根底に置くべき考えは「顧客中心主義」です。製品・サービスの選択肢が無数にあり、クチコミが容易に共有されるようになった今、顧客のニーズと経験を最優先に考えていくことが、改めて重要になっています。
一方で、コロナ禍で進行したデジタル世界では、忠誠な顧客ですら、いとも簡単に競合サービス(競合アーティスト)に乗り換えてしまうという実情が出てきているのです。使い勝手がよければ、どこからでもほしい製品を買える時代になっているためです。
たとえば、2020年のパンデミック発生直後、さまざまなドラッグストアや通販サイトでマスクが在庫不足となり、購入できないという事象が起こりました。そんな中、いち早くサイトを立ち上げて、マスクを仕入れて販売していた通販サイトがありました。きっと「日用品は絶対に●●で購入する」「通販サイトといえば●●しか使わない」と決めていた優良顧客でさえ、少なからず気持ちが揺らいだことでしょうし、そのサイトが大きく売上を伸ばしたであろうことは想像に難くありません。
このように、ふとしたきっかけでファンが競合サービスに流れてしまう可能性のある時代です。それゆえに、「顧客のニーズと経験を最優先に考えていく」ことが重要になっているのです。デジタル化が進めば進むほど「良いおもてなし」こそが競争優位性になってきているといえるでしょう。
データを活用して顧客を理解すること。相手のニーズやタイミングに合わせたアプローチをして、積極的な交流を図ること。TealiumのCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)は、そんな顧客の“ファン化”を実現するのに最適なシステムです。
CDPは、マーケティング部や店舗、カスタマーサポートなどの部署でバラバラになりがちな顧客データを収集、統合、分析し、顧客の詳細な理解を可能にします。
それだけではありません。TealiumのCDPは、リアルタイムに顧客へアプローチできる機能を有しています。たとえば、Webサイトの商品ページを見たときに、その人にオススメの商品を表示させたり。カートに商品を追加したものの購入せずに離れたときには、「お忘れではないですか?」というメッセージを送ったり…。このように、タイミングに合わせて最適な情報を提供できるようになるのです。条件を設定する際は、「東京に住む、過去に高額商品を買った顧客が、特設サイトを訪れたとき」といった掛け合わせも可能です。
顧客のニーズに合わせたリアクションがもたらす「パーソナライズされた顧客体験」は、ともすれば押しつけがましかったデジタル世界の「企業-顧客」の関係性を、より良好なものに変えていくことができるでしょう。
まとめ
★顧客をファンにするには、顧客中心の考え方を持つこと。
企業起点の押しつけがましいコミュニケーションではなく、顧客のニーズと経験を最優先に考えた振る舞いがファン化の第一歩である。
★Tealiumは、顧客のファン化をするのに最適なCDPである。
最適なタイミングで、パーソナライズされたアプローチができるため、顧客の"ファン化"を実現するのに最適なシステムといえる。
次回は、デジタルの世界で「おもてなし」を実現し、新規顧客の獲得やファンの創出につなげる、そのポイントについて解説します。
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<監修> |
[PR]提供:Tealium Japan