非対面コミュニケーションの難しさ

日本の「おもてなし」文化は国境を越えて賞賛されており、今や、各国の企業が学びの対象とするまでになりました。

⇒顧客体験の深化に欠かせない「おもてなし」の思想とは?

室町時代の貴族文化で培われたこの精神は、相手のニーズを予測し、細やかな気配りをもって、最高の顧客体験を提供することを目指しています。

そんなおもてなしの精神は、最高級のサービスだけに必要とされるわけではありません。雨の日は買い物が濡れないようビニールで包んでくれたり、タクシー運転手がドアを開けてくれたり、飲食店であたたかいおしぼりを渡してくれたり――。こうした心づかいは誰が受けてもうれしく、ときには感動を与えてくれるものです。

ところが、対面の接客では心を尽くすことができても、Web越しのビジネスになると、この精神は影を潜めてしまうようです。

たとえば、ECサイトで買った製品の広告が、あらゆる場所にしつこく追いかけてきた経験はないでしょうか? すでに商品・サービスを知っている相手に対する「リターゲティング広告」は有効なマーケティング施策の一つですが、買った相手にまでしつこく伝えてしまったとしたら、どうでしょう。

そのほか、まったく必要でない商品がリコメンドされたり、問い合わせに対してそっけないテンプレート回答を返すだけだったり、購入の際に何度も何度も「これもいかがですか?」と聞いたりすることも同様に、ショッピングの楽しみを削いでしまいます。

ECサイトや非対面営業がどんどん増えていくなか、顧客と顔を合わせることができないWeb上で、どうすれば「おもてなし」を体現できるのでしょうか。

「心のこもったサービス」をデジタルで可能にするための三要素

Webサイトはかつて、情報提供のツールと思われていました。しかし、現在はそれを超えて、訪問者がさまざまな行動をおこなう「場所」となっています。スマホアプリも同様でしょう。では、そこで人はどのように振る舞っているのでしょうか?

デジタルの場所にやってきた人の行動、あるいは心の動きは、リアルとは異なる傾向にあります。店内をぼうっと見渡すようなことをするより、情報やサービスにすぐさまアクセスすることを望みます。店員に話す言葉づかいより率直に意思を表明します。そして、期待したものが得られないと、すぐに不満が膨らみます。スピード感がとてつもなく重要なのです。

「おもてなし」を尽くすためには、相手の所作を見て、相手の心を察しなければなりません。そしてそれはデジタルの世界においても同様です。

情報収集から購入まで、どのようなカスタマージャーニーを経ているのか。閲覧履歴や購買履歴といった顧客のデジタルな足跡を、深く分析する必要があります。その際は、アクセス数の裏側には生身の人間の感情や期待があると認識し、解像度をできるだけ高めていくことが大事です。

相手をよく知ればこそ、温かいおしぼりをさりげなく手渡すように、最適なタイミングと内容、方法で、心地よいアプローチをすることが可能になります。

「最適なタイミング」というのは、その顧客が情報を求めている瞬間や、検討に入った段階です。リアルタイムにひとり一人を注視していなければ、そのタイミングは見逃してしまいます。

「最適な内容」とは、過去の購買データをもとに、顧客が本当に価値を見出すであろう情報です。その人のために、目利きになって精選しなければ、ともすると顧客にとっては迷惑メールになってしまう可能性すらあります。

そして「最適な方法」とは、アプリのプッシュ通知やSNS、メールやショートメッセージなど、顧客に合わせたチャネルを選ぶことです。どういったチャネルを使うにせよ、顧客が一貫して快適な経験を得られるように設計されなければなりません。Webサイトとアプリの二つのチャネルを使っているとしても、それが同一人物だと認識できなければなりません。

TealiumのCDPによる未来型のおもてなし

不特定多数が訪れるWeb上で、一人ひとりにパーソナライズされた「おもてなし体験」を提供するなど、夢物語に聞こえるかもしれません。しかし、TealiumのCDP(Customer Data Platform)はそれを可能にします。

CDPは、優れた顧客体験をもたらすためのデータエンジンです。さまざまなチャネルで行動する顧客データを集約し、一人ひとりの行動をリアルタイムで捉え、各種マーケティングツールに有効化されたデータをタイムリーに供給することができます。

特にTealiumのCDPは、リアルタイム性とマーケティングツールとの連携性に大きな強みを持っています。「最適なタイミング」で施策を実行することを追求しているのです。たとえば、Webサイト上で特定の商品をじっくり見ているような訪問者に対し、その商品に関するプロモーションをすぐさま提供することも容易です。デジタルの世界で人々が求める「スピード感」を持っているというわけです。

積極的なデータ活用と個別対応により、デジタルの世界でも「おもてなし」のような高度に洗練された顧客コミュニケーションが、続々と生まれています。

まとめ

★デジタルでおもてなしをするには、まずは顧客を知ること
閲覧履歴や購買履歴といった顧客のデジタルな足跡を、分析し、顧客が求めることを知る必要がある。

★喜ばれるポイントは「最適なタイミング」「最適な内容」「最適な方法」
一人ひとりにパーソナライズされた対応が喜ばれる点は、対面でもWebでも変わらない。

★TealiumのCDPなら、Web上でのおもてなしを実現できる
リアルタイム性とマーケティングツールとの連携性に強みがあり、「最適なタイミング」「最適な内容」「最適な方法」でのアプローチが可能となる。

次回は、そんなCDPの具体的な活用事例についてご紹介しましょう。

<監修>
ティーリアムジャパン株式会社
マーケティング シニアマーケティングディレクター
安部 知雄



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