Ubuntuのセキュリティの基本であるファイル・パーミッションは最初に読めるようになっておきたい。前回は、この辺りの機能の基本を紹介した。これだけでは、パーミッションを完全に読めるようにはならないと思うので、今回は代表例を挙げながら、どのようなパーミッションがどんなファイルに使われているのかを説明する。連載「WindowsでUbuntuをはじめる」の過去の回はこちらを参照を参照。

Ubuntuを起動

では、Ubuntuを起動しよう。それには、メニューから「Ubuntu」を選択すればよい。

  • スタートメニューから「Ubuntu」を起動

    スタートメニューから「Ubuntu」を起動

  • Ubuntu / Windows Terminal

    Ubuntu / Windows Terminal

「Ubuntu」を選択すると、上のようなターミナルアプリケーションが起動してくる。ここでUbuntuのコマンドを実行する。

スタートメニューに表示される文字列はインストールした時期などによって変わるほか、起動してくるターミナルアプリケーションも環境で設定されているデフォルトのターミナルアプリケーションが使われる。環境によって多少異なるが、これからは多くのケースでWindows Terminalが起動してくるようになる見通しだ。

ドットから始まるファイル

Ubuntuを起動したら、カレントディレクトリ(現在指し示しているディレクトリ)がホームディレクトリになっているはずだ。ホームディレクトリではない場合は、「cd」コマンドを引数なしで実行してホームディレクトリへ移動してみよう。

それには、ホームディレクトリで「ls」と「ls -al」を実行する。

  • ホームディレクトリで「ls -al」を実行した結果サンプル

    ホームディレクトリで「ls -al」を実行した結果サンプル

Ubuntuをインストールした後に設定を変えていなければ、ホームディレクトリで「ls」と実行しても次のように何も表示されないはずだ。

ホームディレクトリで「ls」を実行した結果

$ ls
$

ホームディレクトリで「ls -al」と実行すると、次のような出力が得られる。

ホームディレクトリで「ls -al」を実行した結果

$ ls -al
total 32
drwxr-xr-x 4 daichi daichi 4096 Aug 25 19:57 .
drwxr-xr-x 3 root   root   4096 Aug 25 19:51 ..
-rw------- 1 daichi daichi   81 Aug 25 19:54 .bash_history
-rw-r--r-- 1 daichi daichi  220 Aug 25 19:51 .bash_logout
-rw-r--r-- 1 daichi daichi 3771 Aug 25 19:51 .bashrc
drwxr-xr-x 3 daichi daichi 4096 Aug 25 19:57 .config
drwxr-xr-x 2 daichi daichi 4096 Aug 25 19:51 .landscape
-rw-r--r-- 1 daichi daichi    0 Aug 25 19:51 .motd_shown
-rw-r--r-- 1 daichi daichi  807 Aug 25 19:51 .profile
-rw-r--r-- 1 daichi daichi    0 Aug 25 19:51 .sudo_as_admin_successful
$ 

これは最初に覚えておこう。

lsコマンドはデフォルトでは、名称がドット「.」から始まっているファイルやディレクトリを表示しない。名前がドット「.」から始めっているファイルは「隠しファイル」「隠しディレクトリ」などと呼ばれることもあるが、通常は表示する必要のないものにこうした名称をつける。

設定ファイルやキャッシュデータなどのデータを保持するファイルやディレクトリには、「.」から始まる名称をつけて、lsコマンドで表示されないようにする。

これは、UbuntuをはじめとするUNIX系オペレーティングシステムでよく行われている慣例的な名前の付け方であり使い方だ。lsコマンドは「-a」が指定されたときに、ドット「.」からはじまる名前のファイルやディレクトリも表示するようになる。