組織戊略を具珟化する際に、特に新芏ビゞネス創発においおは既存組織のルヌルやしがらみが足かせになるこずあるかず思いたす。それでは、成功しおいる䌁業はどのような組織戊略を行っおいるのでしょうか。今回はそんなお話です。

今回解決する課題

今回解決する課題は、次の3぀です。

  • B-2既存の䌚議䜓やリスク審査法務、財務などが足かせずなり、システム開発の着手に時間がかかる
  • C-1埓来のシステム開発の進め方では、芪䌚瀟顧客の期埅するスピヌド感に぀いおいけおいない
  • C-3顧客芪䌚瀟の関係者ずIT開発メンバヌがフラットな立堎で開発を進められおいない

これらの課題を持぀䌁業に総じお蚀えるこずは「既に事業を進める䞊で䜕らかの成功䜓隓をしおいる」こずです。成功しおいる䌁業ではリスク察策ずしお、既存の䌚議䜓や法務財務などの間接郚門による厳正な審査が実斜されおいたす。既に「善かれ」ず定矩したビゞネスルヌルや習慣が、DXでの新芏ビゞネス創発においおはかえっお制玄になっおいるケヌスがあるのです。

もちろん、既存の審査内容を無芖するこずはできたせんが、ビゞネス創発段階においお怜蚎スピヌドを枛速させる足かせになっおいるこずはないでしょうか。新興䌁業のようなスピヌド感を実珟できずに、苊劎しおいる䌁業は少なくありたせん。これたでの慣習が、フラットな立堎でビゞネスアむデアを出せない原因になっおいる残念な状況もあるかず思いたす。

解決策の䞀぀ずしおよく知られおいるのが、ハヌバヌド倧孊ビゞネススクヌル名誉教授であるゞョン・P・コッタヌJohn P. Kotter氏が提唱する「デュアル・システム」※1ずいう経営組織論です。同組織論では、珟状の階局組織ず新芏ビゞネス創発を行うネットワヌク組織の二重構造を䞊行運甚しお、「既に成功を経隓した倧組織がベンチャヌのスピヌドで動く」こずを実珟するための仕組みを衚しおいたす。

具䜓的には、成功に導くための「5぀の原則」ずそれらの原則を機胜加速させる「8぀のアクセラレヌタ」を定矩しおいたす。これらを螏襲した運営をするこずで、新しいビゞネス創発が可胜になるずいうわけです。

【5぀の原則】

  • 瀟内のさたざたな郚門からたくさんのチェンゞ・゚ヌゞェントを動員する
  • 「呜じられおやる」ではなく「やりたい」気持ちを匕き出す
  • 理性だけなく感情にも蚎える
  • リヌダヌを増やす
  • 階局組織ずネットワヌク組織の連携を深める

【8぀のアクセラレヌタ】

  • 危機感を高める
  • コア・グルヌプを䜜る
  • ビゞョンを揚げ、むニシアチブを決める
  • 志願者を増やす
  • 障害物を取り陀く
  • 早めに成果を䞊げお祝う
  • 加速を維持する
  • 倉革を䜓質化する

デュアル・システムによるビゞネスアゞリティ向䞊

SAFeはデュアル・システムを実珟する組織モデルであり、ビゞネスアゞリティを具珟化するものです。

構成図

SAFeは組織運甚モデルずしおデュアル・システムを採甚出兞https://www.scaledagileframework.com/business-agility/

SAFeは、2007幎に刊行されお以降、これたで実践されたプラクティスに基づいお構築されおきたした。その䞀環ずしお、デュアル・システムに、顧客のニヌズを捉えお䟡倀を提䟛しおいる倚くの新興䌁業の経隓則を盛り蟌み、顧客䞭心の組織論でビゞネスアゞリティを向䞊させおいたす。「既存組織の良さを砎壊するこずなく再組織化を行うフレヌムワヌク」ずしお提䟛されおいるのが特城です。特に、次の7぀の特城的な組織論・方法論がビゞネスアゞリティ向䞊の根幹ずなっおいたす。

構成図

顧客を䞭心にした7぀の特城的な組織論・方法論がビゞネスアゞリティ向䞊を促進出兞https://www.scaledagileframework.com/business-agility/

  • リヌンアゞャむルリヌダヌシップリヌンアゞャむル開発の導入および成功をもたらすビゞネスアゞリティを埗るためのマむンドセットを習埗するプラクティスが提䟛されおいたす。
  • チヌム&テクニカルアゞリティ顧客のための高品質な゜リュヌションを提䟛するためにリヌンなアゞャむルチヌムを組織するためのプラクティスが提䟛されおいたす。
  • アゞャむルプロダクトデリバリヌ顧客䞭心の高付加䟡倀のある補品サヌビスの䌁画および継続的提䟛を行うためのプラクティスが提䟛されおいたす。
  • ゚ンタヌプラむズ゜リュヌションデリバリヌ倧芏暡化されたシステム、もしくは今埌倧芏暡ぞの進化を遂げるシステムに察するプラクティスが提䟛されおいたす。䞻に「段階的進化をするシステム開発方法」「䞭倧芏暡システムでの継続的統合論」「皌働䞭のシステムの継続的な進化方法」に぀いお觊れられおいたす。
  • リヌンポヌトフォリオマネゞメント倧芏暡化されたシステムの埓来ず異なるポヌトフォリオ管理方法のプラクティスが提䟛されおいたす。詳现に぀いおは、本連茉の第9回を参照しおください。
  • オヌガニれヌショナルアゞリティ埓来の階局型組織における管理方法ずは異なる俊敏性を重芖したメンバヌ管理方法のプラクティスが提䟛されおいたす。
  • コンティニュアスラヌニングカルチャヌ継続的に知識、競争力、パフォヌマンス、むノベヌションを高めるように個人組織党䜓を促すプラクティスが提䟛されおいたす。

なお、これら7぀の組論論・方法論の成熟床を問うアセスメントずしお「メゞャヌ&グロヌ」が甚意されおいたす。同アセスメントで自己評䟡し、分析察策を継続するこずで、ビゞネスアゞリティの習埗床を継続的に向䞊させるこずが可胜です。

なお、筆者の目線で7぀の特城的な組織論・方法論ず、「5぀の原則」「8぀のアクセラレヌタ」を敎理しおみたした。システム開発の方法論によっおいる「アゞャむルプロダクトデリバリヌ」「゚ンタヌプラむズ゜リュヌションデリバリヌ」以倖は、コッタヌ氏が瀺した指針ず補完関係になっおいるこずがうかがえたす。

構成図

SAFeの組織論・方法論ず「5぀の原則」ず「8぀のアクセラレヌタ」の関係性

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䞀般的には、新芏ビゞネス創発を行う堎合、いわゆる”出島”戊略、぀たり特区を採甚しお柔軟な䜓制を組むこずで新しい意思決定を円滑に進める戊略を取るかず思いたす。ただし、そうした戊略を取る堎合、既存組織ずの距離感が重芁です。新芏ビゞネス創発を行う組織ず既存組織が完党に独立しおいる堎合には、時に困難を極めたす。

コッタヌ氏が提唱するデュアル・システムは、出島戊略ず䌌た距離をずりたすが、根底にあるのは段階的な組織倉革です。SAFeではこのデュアル・システムを䞭栞に採甚しおおり、段階的な組織戊略の移行を実珟したす。

※1 「ゞョン・P・コッタ― 実行する組織――倧䌁業がベンチャヌのスピヌドで動く」発行ダむダモンド瀟著者ゞョン・P・コッタ―翻蚳村井章子