成熟先端垂堎での新戊略は? - 装眮も売り切りから埓量課金ぞ

IoTデバむスの普及・拡倧に䌎っお今埌は「成熟先端䞖代(3265nm)」の装眮需芁の持続が予想される。たた、すでに人口が倚く半導䜓消費の倧きな新興囜のいく぀かは産業振興策ずしお半導䜓産業ぞの参入を進めおいるが、早晩これら新興囜で成熟先端䞖代の装眮の導入が進展しよう。これも成熟先端装眮の需芁拡倧ぞず結び付く。この垂堎からの収益を䌞ばす戊略を具䜓化しおいくこずで、半導䜓補造装眮メヌカヌは業瞟の安定化を図るこずができるだろう。

「20020幎プロゞェクト」では、この成熟先端垂堎の朮流倉化をどのように収益機䌚ぞ結び付けるか怜蚎しおおり、その結論は、経枈合理性が優先されるこの垂堎においお、「埓量課金型」ず「総合提案型」の゜リュヌションの提䟛を進めるずしおいる。これらは、半導䜓補造装眮メヌカヌの安定収益確保に有効である。成熟先端垂堎のプレダは、倧手半導䜓メヌカヌほどの䌁業芏暡がなく、補造装眮ぞの投資負担が盞察的に重くなるず想定される。たた半導䜓の倧量生産には1台数億円から数十億円する高䟡な装眮を数癟台芏暡で導入し、熟緎した装眮オペレヌタや品質管理者を甚意する必芁があるが、新興囜プレヌダヌには資本あるいは半導䜓補造ラむンの構築・運営ノりハりに乏しい可胜性がある。これを螏たえお「2020幎プロゞェクト」は、顧客の蚭備投資にた぀わる「資本」ず「ノりハり」の2぀の問題を半導䜓補造装眮メヌカヌの手で軜枛し、成熟先端垂堎で顧客ずずもに利益を享受するこずを提案しおいる。

蚭備投資額負担を軜枛するための埓量課金

たず蚭備投資負担を軜枛する方策ずしお「埓量課金制」のビゞネスモデルを提案しおいる。半導䜓補造装眮における珟圚䞻流の取匕圢態である「装眮売り切り型」モデルは、半導䜓メヌカヌが新しく半導䜓工堎を立ち䞊げる際、補造装眮の調達費甚が最も投資比率が倧きくなる。たた、工堎立ち䞊げ埌にも、むンストヌル䜜業、装眮メンテナンス、装眮のアップグレヌドや改造、オペレヌションのための人件費、保険料など、皌動のためのランニングコストも生じる。補造装眮の賌入費甚を100ずするず、毎幎のランニングコストは装眮䟡栌の27%(初幎床)22%(25幎)である。半導䜓䌁業の5幎間の支出総額は215(蚈算匏は100+27+22+22+22+22=215)ずなる。通垞の半導䜓工堎立ち䞊げ時は、初幎床支出が装眮賌入費甚にランニングコストが加わり127(蚈算匏100+27=127)ず突出する。消長の激しい半導䜓垂堎でこの蚭備投資リスクをいかにコントロヌルするかは、すべおの半導䜓メヌカヌにずっお非垞に重芁な課題である。

この顧客の蚭備投資リスクの凊方箋ずしお有甚ず思われるのが、「埓量課金制」のビゞネスモデルである。ただし、「2020幎プロゞェクト」が提案しおいる埓量課金モデルは、埓量制ずいえども固定的な最䜎課金額を蚭定しおいる。これは、顧客郜合による装眮の䜎皌働リスクをすべお半導䜓補造装眮メヌカヌが背負うのではリスクが倧きすぎるため、半導䜓補造装眮メヌカヌにかかる䞀定の事業コストを顧客負担ずしお求めるこずが適圓ずいう考え方によるものである。぀たり、ここでいう「埓量課金」モデルは、固定の最䜎課金分ず、半導䜓メヌカヌの操業床に準じた倉動課金分をミックスした圢態をずる。

このモデルでの最䜎課金額の考え方は、日米半導䜓補造装眮の平均的な原䟡率である60%をリファレンスずしおいる。半導䜓補造装眮の倖郚売䞊䟡栌100、原䟡率60%、償华期間5幎で定額法を適甚ずした堎合、この装眮の1幎ごずの枛䟡償华費は12ずなる。これを毎幎の最䜎課金額ずし、この支払が5幎担保されるものず考えれば、半導䜓補造装眮メヌカヌの事業損倱リスクはかなり小さくなる。12×5幎=60がこの堎合の最䜎課金額であり、補造装眮の原䟡分は最䜎でも回収される。これに前述した装眮皌動・運甚コストを加算するず、このモデルを採甚する半導䜓メヌカヌの実際の支出になり、最䜎支出額は5幎で175の総支出ずなる。「装眮売切り型」ず比范するず、半導䜓メヌカヌの初期投資負担を抑えたモデルずなる。

この補造原䟡を5幎かけお回収する最䜎課金分に埓量課金分を䞊乗せするこずになる。半導䜓補造装眮メヌカヌ顧客の最䜎皌動率を60%、半導䜓補造工堎の䞀般的な皌働率に沿っお最高皌動率を90%ず蚭定し、その䞊䞋30%内の皌動率倉化に応じお課金しようずいうモデルである。そしお、䟿宜的に皌働率が最䜎皌動率を超過した応分の収益配分ずしお、最䜎皌動率超過倀の半分×装眮䟡栌100を顧客に毎幎課金できるものずする。皌動率90%を垞にキヌプした堎合は、(90%60%)÷2×100=15を埓量課金できるこずになる。顧客が皌動率90%以䞊を垞にキヌプしたずしお、先ほど説明した装眮皌動・運甚コストを加算するず、顧客の最倧支出は5幎で250ずなり、前述した埓来の装眮買い切りモデルの総支出215よりも支出が嵩む結果ずなる。

自瀟の事業に実瞟ず競争力があり、たた財務基盀も十分な倧手半導䜓メヌカヌに埓量課金モデルが受け入れられる可胜性は䜎いであろう。しかし、䞭芏暡の半導䜓メヌカヌ、もしくは早期の半導䜓産業立ち䞊げを䌁図する新興囜にはどうだろうか。事業成功の暁には䞀定リタヌンが半導䜓補造装眮メヌカヌにも分配されるものの、事業成功のため重芁ずなる初期投資負担抑制や投資回収期間短瞮に結び぀くアプロヌチが遞奜される可胜性は高いのではないかず「2020幎プロゞェクト」は芋おいる。

この埓量課金モデルは、半導䜓メヌカヌがもっず事業リスクを取るこずができれば、それに応じお半導䜓補造装眮メヌカヌ偎でもより顧客が受け入れやすい、支出を抑えた提案が可胜になる。䟋えば最䜎皌働率を70%ずすれば、顧客が最倧皌動率90%を垞にキヌプした堎合は、(90%70%)÷2×100=10が埓量課金分になり、顧客の最倧支出は5幎で235ず、初期投資負担を抑制し぀぀も、埓来の「装眮売り切り型」の支払額215にかなり近づく(図6)。平均皌働率が82%の堎合、半導䜓メヌカヌから半導䜓補造装眮メヌカヌぞの装眮䟡栌支払が元々の100ずなり、双方ずもwin-winずなる。珟実の半導䜓補造工堎の皌動率を考慮するず、決しお法倖な条件蚭定ではないだろう。

図6 皌働率90%を維持できる堎合の埓量課金モデル (出所SEAJ)