2021年12月14日、TISはプレスリリースにて「衛星データによる都市デジタルツインを活用したお祭りXR体験の実証」として、「デジタル花火大会」を2022年1月15日から2月13日の期間で福岡市を舞台として実施することを発表した。
デジタルツイン、XR、デジタル花火大会と今話題のワードが並ぶとても目を引く取り組みだ。
ではこのTISのデジタルツインを活用したデジタル花火大会とはどのようなものなのか、今回は、そんな話題について紹介したいと思う。
デジタルツインを活用したデジタル花火大会とは?
TISが発表した衛星データによる都市デジタルツインを活用したお祭りXR体験の実証としてのデジタル花火大会。
実はこの取り組みは、内閣府 宇宙開発戦略推進事務局が行っている令和3年度「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」において採択されたものだ。
そしてこの取り組みは、TISだけで行うのではない。RESTEC(リモート・センシング技術センター)、電通九州、CenterQが協力して行う。
この4社の役割分担は次のようだ。まず、RESTECはプロジェクト取りまとめと衛星データの提供、TISはXR関連技術の調査、電通九州はマーケティング、CenterQはVRコンテンツ作成を担当するという。
デジタルツイン活用の今後
では、TISらは、なぜこの取り組みを考えたのだろうか。
コロナ禍の影響で、花火大会などの祭りは開催できなかった、そしてその結果収益がなかった、そのような背景があるようだ。この取り組みで活用する都市のデジタルツインや、XRコンテンツというものを活用すれば、コロナ禍でも楽しむことができる有益なエンタテインメントモデルを構築できる可能性があるのだ。
今回は、デジタルツインは、衛星3Dデータを使って、福岡市の大濠公園周辺を作成する。そして、作成したデジタルツイン上に、デジタル花火を作成する。
企業協賛の見せ方も検証するという。また、参加者は自宅でこのXRコンテンツを体験し、アンケートに答えてもらい作品評価や心理変化、収益可能性の3点を評価するという。
この評価によって、衛星データの観光活用の手法やどの地域でも安価に再現し、持続可能なモデルを構築。 この取り組みの成果を「博多祇園山笠XR」、「博多どんたく港まつりXR」、「都市アートXR」に展開する予定だという。
いかがだっただろうか。未来には、おそらくこのようなデジタルツイン、XRを活用したエンタテインメントのシーンが増えていくと感じる。
このTISらのグループによる取り組みはとても魅力的であり、大手企業が手掛けるエンタテインメントはもちろんのこと、さまざまな地方の祭りなどにも展開して行ってほしい、そんな気持ちにさせられた。