H-IIAロケット50号機が6月28日、射点に姿を現した。移動発射台(ML)に乗った同ロケットは、同日10時30分より移動を開始。大型ロケット組立棟(VAB)から第1射点(LP1)までを、約30分かけてゆっくり移動した。種子島の現在の天候は晴れ。16時半より推進剤の充填を開始し、翌29日の深夜1時33分03秒に打ち上げが行われる予定だ。

  • 射場に姿を現したH-IIAロケット50号機

後継機であるH3ロケットは、VABの向かって右側のエリアで整備され、何回か曲がりながら第2射点(LP2)へ向かうが、H-IIAロケットはVABの左側からLP1まで、一直線のコースをたどる。移動距離は約480mだ。

  • H-IIAロケットの移動コース。曲がらずまっすぐに進む
    (C)三菱重工業

【動画】機体移動のタイムラプス動画。ほぼ一定の速度で移動する

  • まずは移動発射台が見えてきた

  • 最後らしく「THANK YOU!」の文字も

  • 段間部には、地元・南種子町のメッセージロゴも

  • 機体が完全に姿を現した

  • H3ロケットと違ってノズルまで見える

  • 足下にはドーリーや作業員の姿が見える

  • このあたりが中間点

  • 射点の全景

  • 奥の鉄塔がめざす第1射点(LP1)

  • 衛星のミッションマークも見える

  • 射点に到着

  • 取材には大勢の報道陣が詰めかけた

今までは2種類のロケットを運用してきたため、射点も2カ所用意されてきたが、H-IIAロケットの引退により、LP1は使われなくなる。今後はH3ロケットの打ち上げで、LP2のみが利用されることになる。なおそのほかにも、H-IIA用の移動発射台や、射点付近のブロックハウス(発射管制棟)もこれでお役御免となる。

  • VAB横のブロックハウス(発射管制棟)。H3ではもう使わない