50機でラストフライトとなるH-IIAロケット

日本の宇宙開発を長きにわたって支えたH-IIAロケットが、ついに最後のフライトを迎える。同ロケットの初号機が打ち上げられたのは、2001年8月のことだった。それから四半世紀も飛び続け、ちょうど50機目がラストフライトとなる。打ち上げは6月29日(日)午前1時33分03秒に行われる予定だ。

  • 南種子町役場前に出ていた応援のぼり

    南種子町役場前に出ていた応援のぼり。日曜の打ち上げということで、見学者も多くなりそうだ

H-IIAで特筆すべきは、なんと言ってもその打ち上げ回数の多さだ。H-IIA以前のロケットを見てみると、H-IIが7機(1994年~1999年)、H-Iが9機(1986年~1992年)、N-IIが8機(1981年~1987年)、N-Iが7機(1975年~1982年)となっており、H-IIAの多さが群を抜いている。信頼性も高く、日本に初めて登場したベストセラー機だと言えるだろう。

ただその一方で、目指していた国際的な商業打ち上げについては、残念ながら、あまり成果を残せなかった。ほとんどの打ち上げは宇宙航空研究開発機構(JAXA)や政府の衛星・探査機であり、防衛関連など官需の増加に支えられた形だ。この果たせなかった目標については、基幹ロケットの座を引き継いだH3が担うことになる。

前日の機体移動は昼前に実施予定

ところでH-IIAは筆者にとっても、非常に思い出深いロケットである。今まで多くのロケットの打ち上げを取材してきたが、初めて現地で打ち上げを見たのは、H-IIAの初号機だった。このときはまだメディアの仕事をしておらず(というか無職だった)、完全に観光だったのだが、強烈な音と光に衝撃を受けたことを覚えている。

  • そのときに撮影していた画像

    そのときに撮影していた画像。画質と解像度が時代を感じさせる

今後の予定だが、延期がなければ、27日(金)に打ち上げ前ブリーフィング、28日(土)に機体移動が実施される。ロケットの機体移動は夜間に行われることが多いのだが、今回は打ち上げが深夜のため、機体移動は昼前の実施となる。明るいタイミングで最後の機体を見ることができそうだ。

筆者は本日(6月26日)の夕方、種子島に到着。かなり蒸し暑さは感じるが、青空も見えており、今のところ打ち上げ日の天候は問題ない見込み。これから随時、現地レポートをアップしていくので、どうぞお楽しみに!