2015年の宇宙、どうでしょう?ということで、予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙にかかわるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回は、上半期分をば。

宇宙にかかわるできごとは、予測が秒単位でできるものから、いきなりやってくるものまで、いろいろでございます。という2014年の「宇宙、どうでしょう」おかげさまで、私の近くでは、かなーり好評でございました。特に「ロゼッタについて早く知っておけてよかった」ってな声が多かったですな。もちろん、詳しくは、天文手帳天文年鑑星空年鑑2015を、あと、ライトな宇宙好きむけに、藤井旭の天文年鑑2015なんてのもあります。アプリだと iOS限定ですが、アストロガイド2015なんてのがございますので、ご参照くださいませ。

ここでは、2014年版と同じく、まあ、ファンってわけじゃないけど、たまには空を見るかな。話題になったら、気になるかなという「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙にかかわるあれこれを紹介しちゃいます。

1月~2月

星がいちばんよく見える時期です。明るい星が集中しているんですな。特に関東地方は、晴れ続けますねー。ただ、日本海側は、雪ですねー。雲の上ではという注釈をつけないといけません。日本は広い。

晴れさえすれば、「オリオン座」。そう3つ星が並んでいる、あれがみえますね。オリオン座がわかれば、3つ並んだ星を、左にズーッと延長した先にある、明るーーい星が、シリウス。焼き焦がすものという意味がある星ですな。距離は8.7光年。本州から肉眼で見える、一番近くにある恒星でもあります。

逆にオリオン座の3つ並んだ星を、右にズーッと延長すると、赤っぽいアルデバラン、そのさきに、モヤっとか、ゴチャっとか見えるのが「すばる」でございます。

これくらいチェックできれば、ちょっと星に詳しい人としてはじゅうぶんです。あ、ビートたけしさんの前ではやらないように、あの人は本当によく知っていますから-。

さて、宇宙探査というと、アメリカ勢の動きが目立ちます。まず1月29日、SMAP探査機が打ち上げ。ジャニーズアイドルとは関係なくて、地球の水の探査をするのでございます。

SMAP探査機のイメージ (C)NASA

2月中ごろ、DAWN(ドーン)探査機が、小惑星ケレス付近に到着します。1801年、最初に発見され小惑星帯最大の直径950km。ほぼ球形で、しかも大気があり、水蒸気を吹き出しているなんて発見もありました。DAWNは夏にかけてケレスをまわる軌道に入り、詳細な探査をはじめます。むー、楽しみですなー。

また、同じく2月中ごろから、冥王星探査機ニューホライズンズも、冥王星の本格的探査にかかります。これも夏にかけて冥王星に突撃。横を通り過ぎるフライバイ探査でございます。冥王星は氷のかたまりと予想されておりますが、さてどんな姿をしているのでしょうね?

探査機の運用には、直径が100mという巨大なアンテナを使って通信をするのですが、アンテナのスケジュール調整大丈夫かいなと思ってしまいます。リアルタイムでどのアンテナ使っているかなんてわかりますよー。

3~4月

3月なかごろ、アメリカは「MMS」という地球の磁場の探査衛星を打ち上げます。

4月4日の夜には、「皆既月食」があります。夜9時前後に皆既になる、観察のしやすい月食なので、またお知らせしますねー。双眼鏡で見るのがいいですよー。

4月13日~19日は、国の科学技術週間です。毎年、つくばの学園都市などは特にお祭りみたいな感じだそうです。神奈川県相模原市のJAXAや埼玉県和光市の理化学研究所など、若手の研究者を中心に一生懸命って感じでとてもいいですよー。詳しい情報は3月末くらいにこちらで。一家に一枚XXXな科学ポスターの配布も各地の科学館などでされます。

そうそう、ヨーロッパの彗星探査機、話題になったロゼッタちゃんは、チュリモフゲラシメンコ彗星によりそいながら、活発になっていく彗星のモニターをしています。彗星は太陽に接近して活発になりますと、噴水のように身体をまき散らします。どこまで見ていられるか? それも注目でございます。ロゼッタのツイッターのつぶやきも注目です。太陽への最接近は8月13日です。

5~6月

このころ、夕方の空に、木星と金星、2つの明るい星がよく見えております。

さらに5月5~9日くらいは、木星・金星を結んだ下に、水星が見やすくなっているのですが、ちょっとわかりにくいかもしれません。

5月5~6日にみずがめ座エータ流星群がピークです。といっても条件はあまりよくないですね。明け方のみ、流れ星がふだんの倍ほど(1時間に5~6個)になります。

6月には、ロシアのソユーズ宇宙船で、日本の油井宇宙飛行士が、国際宇宙ステーションに行く予定…なんですが、ロシアがちょっとグダグダになっているので、さてどうなりますか。宇宙はわりと影響受けにくいそうなんですけど、やはり政治や経済が左右するところはありますからね。

後半分は、また6月ごろにお知らせいたしますねー。

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。