前回レポートしたスマート望遠鏡「eVscope eQuinox」。台風が突っ込んでくるは、もう秋雨な天気が続く中、引き続き試用してみました。そして、ニコンが協業するという新型の「eVscope2」も発表されましたので、にわかヒョーロンしてみますねー。
1年たって、月の見え方の変化
さて、今回、文章多めなので、とりま、月の写真です。
eVscopeで1年近く前に見てキャプチャーした月と、先ごろキャプチャーした月です。だいぶくっきり写るようになった気がします。全く同一機器じゃないのですが、光学性能からなにからほぼ同じなので、前回書いた通り、色味やコントラストなどが改善されているのは、アプリやファームウェアのアップデートの効果ですな。デフォルトの露出時間を短くしたり、チューンナップされているようです。ま、月の高度の違いもあるかもしれませんし、ワタクシの慣れもあるかもしれんですが、やっとることかわらんのよ。
ニコン協業で eVscope2が発表……だと
というのを紹介したタイミングで、9月14日にさらにUnistellar社から新型のeVscope2が発表されました。11月に発売だそうです。ニコンが協業すると7月に発表されていたので注目していたのですが、おう、対物レンズじゃなくて、ビュー・ファインダー(アイピース)の協業からでございますか。ふむ。まあ、確かにニコンのビュー・ファインダー技術はええかもしれませんね。一眼レフですから。
こっから脱線が長いので、興味ない人は、eVscope2のスペックチェックまで、適宜飛ばしてくだされ。
ところで、最近、街中では華奢なお嬢さんが巨大な一眼レフカメラを振り回しているのをよく見かけます。カメラ女子でございますな。絶景写真などを狙っているようで、ファインダーを覗く目も鋭い感じです。また、ちょっとした趣味で写真をメモで取るくらいな感じでも一眼レフ率が結構高くなってる感じですねー。GoPROのようなアクションカメラも若者はよく使っていますが、間もなく一眼レフの威力を知るようでございます。
さて、一眼レフですが、一眼はレンズの数、レフはレフレックス=反射です。構図を決めるファインダーも一種の望遠鏡なのですが、そのためのレンズとイメージセンサー(昔は写真フィルム)に光を導くレンズを共通化し、反射鏡やプリズムで切り替えて使うのが一眼レフカメラでございます。レンズが共通なので、ファインダーで見たピントや構図などがそのまま撮影する写真に反映されるということでございます。
最近はミラーレス一眼というのもありますなー。イメージセンサーでとらえた映像を、ファインダーのイメージモニターにリアルタイムに映すというやり方ですね。カメラ背面の液晶モニターだけでなく、のぞき込むタイプのビュー・ファインダーを装備しているものもがそう呼ばれるようです。そう、のぞき込むことで構図などに集中できるわけでございます。姿勢もカメラも安定するというメリットもありますしねー。
心配しないでください。もうすぐ望遠鏡の話にもどりますよ。
その一眼レフですが、長らく2強といわれていました。日本のニコンとキヤノンでございますな。最近はソニーも持ち前のセンサー技術などを武器に支持を集めておりますな。ちな、私、プライベートではリコー・ペンタックスユーザーでございます(どうでもいい)。
さて、一眼レフカメラ、超望遠レンズをつけ、ビュー・ファインダーで星をのぞくと、これはもう電視観望そのものですな。そしてシャッターを押すとそのまま望遠鏡で撮影したような写真が撮れるわけです。月のクレーターの写真などは最近は望遠鏡ではなく、ふつうにカメラで撮影したものも目立ってきました。ソニーのサイトなどにもそうしたことは普通に解説されていますねー。ニコンのサイトでは、むしろコンデジでうまくいくよなんてあったり。うむ。時代はそうなのです。そういえば、いつだったかグランピングのはしりのころ、某リゾートホテルでホテルマンの方に天体写真の写し方を教授していただきましてですね。一眼レフカメラ+望遠レンズで土星の環も確認できるんですよーと見せてもらいました。はい、前回の土星くらいの見え味でした。ちょうど。
eVscope2のスペックチェック
ということで、ビュー・ファインダーは、覗くということを考えると、かなーり重要なパーツなのでございます。初代のeVscopeでは、そこは内製というか自社開発にせよOEMにせよ控えめだったようでございますが、eVscope2では一眼レフやミラーレス一眼で世界のカメラマンの要望を聞き続け、鍛えられたニコンの技術が使われるのです。いやー、すごいですね。しかし、そこまでやる必要があるか? というと、あるような気もするのです。
ここで eVscope2のスペックチェックをしてみましょう。本家のUnistellar社のサイトとソニーのセンサーのサイトを参照しております。
えー、横幅が1.5倍になり焦点距離が同じですので視野は広く、ピクセル数は3倍ですから、緻密さも上がるという感じですな。従来使われていたIMX224は、ピクセル数を落として感度を上げるという技も持っているのですが、eVscope2に採用されるIMX347はそれはないようでございます。スペック表の見落としならごめん。
まあ、ともかく、いままで昔のテレビなみだったのが、フルハイビジョンくらいのアップなので、そりゃまあビュー・ファインダーもよりよいものがほしいよなあというところですな。
ともあれ、まだ実機は全然見ていません。何がどうかわるのか楽しみでございます。
あ、そうそう値段をつけてなかった。まあ、センサーも大きくなるし、ビュー・ファインダーも大きくなるし、値段はあがるよな。
いままでは379,800円(税込:収納バックパック別売り)でございましたが、eVscope2は、じゃーん529,800円(税込:収納バックパック付属)でございます。いや、まあ、値段の上がり方としてわからないわけではないが、15万アップですか。うむ、個人用の望遠鏡として見ると高いですけど、すぐ使えるといういいところがあるからなあ。
いずれにせよ値段相応のよさがあればいいですな。11月の出荷楽しみですな。誰か独身貴族が購入したらみせてもらおうっと。