きっちり運行する宇宙。物理法則に厳格にしたがい、人類がそれに変更を試みるのはいまだほぼ不可能です。逆に予測が秒単位でできることが多いのが特徴です。一方で、人類は宇宙のことをまだぜんぜんとらえておらず、どーなるかわからんことも多々あります。ということで、「素人でも手軽に観察または参加できる」宇宙に関わるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今年いっぱいの。2021年9~12月の分をば。

なお、天文現象を一年分紹介している年鑑の類が、毎年刊行されています。紙もの出版が減るなかで頑張っておりますな。2021年分は、過去の連載でご紹介しておりますので、参考にしてくださいませ。

9-12月の金星、土星、木星祭りだ! 大都会でもよく見えますよー!

太陽系の8つの惑星のうち、空に肉眼で見えるのは5つ。このうち水星は太陽の近くにあるため見つけるのは至難です。そして、まあ2つ見えればいい方です。

んが、しかーし。2021年9月~12月は惑星3つが夕方の空に見えるという祭り状態になっています。これは、珍しいですよー。

3つの惑星はいずれも明るく、大都会でも十分観察できますが、金星と木星はズバ抜けて明るく見えます。比較的に低いところに見えるので、できるだけ見晴らしがよいところで見るのが吉ですなー。

図に180度パノラマでの位置関係の変化をしめします。図の作成はアストロアーツ社のステラナビゲータでございます。9月、10月とあるのはそれぞれ15日の位置です。左端が東、右端が西という180度でございます。

9-12月の月と惑星の接近

毎日、星々の間を移動する月。その通り道は、おおむね惑星がいる場所でございます。そのため、月と惑星はしばしば接近をして、★や☽みたいな形になり映え写真を撮りやすくなります。そして、土星などは月がそばにあれば、これだ! とわかりやすいのでございます。各月の月と惑星の接近日を掲載します。

  • 月と惑星の接近日

    月と惑星の接近日

  • 2021年9-12月の金星、木星、土星の位置イメージ

    2021年9-12月の金星、木星、土星の位置イメージ

11月8日の金星食(昼間)

11月8日に、金星が月に隠される「金星食」が見られます。

ただし、白昼に起こります。金星食の開始時刻、終了時刻は場所によって違います。東京だと、13:46すぎに金星が月に隠され始め、完全に隠れるのが13:49少し前。月の向こうから金星が出てくるのが、14:38少し前。完全に表れるのが14:40ちょうどとなります。各地の予報は国立天文台のWebサイトでチェックできます。

月は三日月型で、白昼の空に見つけるのはちょっと難しめですが、太陽の左を双眼鏡でさぐるのがよいでしょうか。たぶん、ネット中継なども行われると思いますので、そうしたサイトを探してみるのもよいかと思います。

11月19日の月食(部分月食)

11月19日の夕方には、月のほとんどが地球の影に隠れる部分月食が見られます。皆既月食にはぎりぎりならないのですが98%まで隠れるのでかなり見ごたえがありますぞ。開始は世界共通で日本字の16時18分、最大が18時3分、終了が19時47分すぎです。

月の高度が低いので、東の見晴らしがよいところでチェックするといいですな。まあ、マンションの東向きの部屋とか結構いいかもでございます。

特に道具はいらないのですが、双眼鏡でチェックしたり、スマホを固定して1分1コマ程度のタイムラプス撮影を試みるのもおもしろいかと思います。

また近づいたら記事を書きますねー!

12月14日、ふたご座流星群

年に何度か流れ星が多くながれる「流星群」。最近はふたご座流星群がとみに活発だそうです。12月13日-14日と14日-15日の夜がそれぞれおすすめですが、夜半までは月が明るいので夜明け前がおすすめですと普通は書いてあるのですが。

個人的には寒いからあんまりですねえ。すばる望遠鏡のところにある朝日新聞社のカメラで時差利用して部屋で夜8-9時くらいに見えるのがよいかと。

ロケット・宇宙探査系

SPACE FLIGHT NOW」ほかをのぞいてみますと、いやー、盛りだくさん、おなかいっぱいですぞ。予定通りなら。

9月15日、スペースX社のクルー・ドラゴンで民間宇宙旅行

Inspiration4といわれるこの旅行は、Shift4 Paymentという金融決済会社の創業者の億万長者ジャレド・アイザックソン氏(38歳)が企画して4名での地球周回の宇宙旅行を行うもので、収益はテネシー州にある小児白血病などの研究治療を行っている、St. Jude Children's Research Hospital.の運営のために寄附されるとのことです。4人は、ジャレド氏と、病院勤務の物理学者で自らも小児がんの患者だったHayley Arceneaux氏、Chiris Sembroski氏、起業家のSian Proctor博士です。

そういう時代がきたんですねえ。

9月、中国が独自の宇宙ステーション「天宮」の補給船「天舟三号」を打ち上げ

大型のロケット「長征7号」での打ち上げです。コアモジュールの天和を皮切りに、天宮宇宙ステーションも着々と作られていきますが、本格化は2022年でございますな。

10月5日、ロシアのソユーズが国際宇宙ステーションへ

宇宙飛行士のShkapelerov氏のほか、ロシアの映画監督のKlim Shipenko氏と、女優のYulia Peresildが搭乗する予定で12日間の宇宙滞在をする予定です。宇宙飛行士はそのまま国際宇宙ステーションに長期滞在します。Kilm氏は、旧ソ連の宇宙ステーションをテーマにした Salyut7という映画の監督かつ俳優であり、実際の宇宙での映画撮影を試みます。

そういう時代が来たんですねえ(まただ。)

10月、中国の有人宇宙船神舟13が打ち上げ

3人の宇宙飛行士を乗せ天宮宇宙ステーションにランデブー・ドッキングします。中国としては8回目の有人飛行となります。着々ですなー。

10月16日、アメリカのトロヤ群小惑星探査機Lucy打ち上げ

木星と同じ軌道にある小惑星群に行く初の探査機「Lucy」が打ち上げです。

20年間で7つのトロヤ群小惑星のフライバイ探査が予定されています。(1つは小惑星の月になっている小惑星、あと双子の小惑星があるので、系としては5つです)。また、1つの小惑星帯小惑星も探査、あわせて8つですな。小惑星帯の小惑星より始原的といわれるトロヤ群小惑星。どんな世界なのでしょうか。小惑星帯通過は2025年、小惑星ドナルドヨハンセンをフライバイ。トロヤ群に到着は2027年。

ちなみにLucyは、アフリカのエチオピアで1974年に化石が発見された原始人の名前ですな。ビートルズの楽曲にも取り上げられています。始原的な小惑星探査ということで、この名前が選ばれました。

10月31日、クルー・ドラゴン3打ち上げ

有人宇宙船クルー・ドラゴン3が打ち上げ、国際宇宙ステーションに向かいます。アメリカの宇宙飛行士2人、ヨーロッパの飛行士1人が打ち上げ予定。あともう1人はあとで発表ですって。だれかな。

10月下旬、日本のHII-Aロケット打ち上げ

準天頂位置衛星の打ち上げです。QZS1Rとあり、2010年に打ち上げられたみちびきQZS1の後継機でございますな。

そのほか ボーイングの有人宇宙船スターライナーのテストも予定されていますな。

11月17日、X線偏光観測衛星「IXPE」打ち上げ

天文衛星の打ち上げ久々な気もしますなー。

11月下旬、ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡打ち上げ

来たー! 待ちに待った、スーパー宇宙望遠鏡「JWST」がよーーーーやく打ち上げです。待ちすぎだわ。30年に渡り、目が覚めるような宇宙を撮影してきたハッブル宇宙望遠鏡(HST)の正統な後継者でございます。

HSTに対して、主に赤外線に感度を持つため鏡は金色! 赤外線は宇宙の星雲などの透過性が可視光線よりよいために選ばれています。また鏡の直径はHSTの2.4mに対して6.5m! 当然ながらパワーは5倍以上。宇宙の果てまで、そしてどれほど暗い天体まで見せてくれるのでございましょうか。

ハッブル宇宙望遠鏡は高度570kmの地球周回軌道にありますが、こちらは地球から150万km離れた太陽と地球の重力が拮抗して安定するラグランジュ点(L2)におかれます。地球の夜だの昼だのに左右されないわけでございますな。比較は、こちらに図解で載っております。わかりやすー。この辺、アメリカはすごいですな。まあ、研究所の広報だけで30人とかいますからね。あっちは。

JWSTは、その抜群の能力をつかって、宇宙の果て、つまりは宇宙がはじまったころに銀河が誕生する様子を調べたり、その透過能力で太陽系のようなものが誕生する現場を詳しく調べたり、またおそらくは近距離の未発見の天体もざくざく見つけるのでございましょうね。

なお、赤外線望遠鏡では2009年~2013年に活躍したヨーロッパのハーシェル宇宙天文台もありました。こちらは鏡が3.5mで、同じL2点におかれました。JWSTとしては、ハーシェルは観測したのが遠赤外線で役割が違うよと書かれていますな。

12月8日、日本の前澤さんと平野さんが、ロシアのソユーズで宇宙旅行へ

国際宇宙ステーション行のソユーズ宇宙船で、日本人の実業家の前澤友作さんと映画プロデューサー平野陽三さんが12日間の宇宙旅行にでかけます。うらやましーなあー。TBSの秋山さん以来31年ぶりの民間人なんですか。これ、本番ですよ。

そういう時代が来たんですねえ(三回目ー。)

他にもインドも小型衛星打ち上げなどてんこ盛りですが、もうおなか一杯すぎます。本当、宇宙開発は日常ですな。

ということで、今年の残る期間も宇宙を楽しんで参りましょー。