執筆時点でCopilot in Windowsに指示して行うことができる設定変更の多くは、設定アプリケーションの起動、コントロールパネルの起動、トラブルシューティングの起動と、そこからの操作方法をメッセージで示すというケースが多い。今回はこうした間接的な操作ではなく、Copilot in Windowsに指示して直接操作できるものとして音量、応答不可モード、フォーカスセッションを取り上げる。

連載「Copilot in Windowsを使ってみよう」のこれまでの回はこちらを参照

音量のミュート・アンミュート・指定

以前、Copilot in Windowsから音量の上げ下げを行う方法を取り上げた。Copilot in Windowsではそれ以外にも音量のミュート、アンミュート(ミュート解除)、指定した音量へ設定という操作も行うことができる。

次のスクリーンショットはCopilot in Windowsに「音量をミュートにしてください」と指示している。許可を求めるボタンが表示されるので「はい」をクリックすると、音量がミュートになる。タスクバーの音量アイコンを確認すると、表示が「×」となりミュートになったことが確認できる。

  • Copilot in Windowsに「音量をミュートにしてください」と指示

今度はCopilot in Windowsで「音量をアンミュートしてください」と指示する。次のスクリーンショットのように許可を求めるボタンが表示されるので「はい」をクリックする。タスクバーの音量アイコンが元に戻り、ミュートを解除したことが確認できる。

  • Copilot in Windowsに「音量をアンミュートしてください」と指示

次のスクリーンショットではCopilot in Windowsに「音量を50に設定してください」と指示し、表示されるボタンから「はい」をクリックしている。

  • Copilot in Windowsに「音量を50に設定してください」と指示

タスクバーから音量を確認すると、音量が50に設定されていることが確認できる。

  • タスクバーから音量を確認

このように音量に関してはCopilot in Windows経由から各種操作を行うことが可能だ。

応答不可モードON/OFF

作業に集中したいときは応答不可モードに設定するのが1つのライフハックだが、応答不可モードという言葉は覚えにくいかもしれない。この応答不可モードについては、執筆時点では次のようにCopilot in Windowsに「邪魔しないでください」という指示でも有効化することができる。確認を求めるボタンが表示されるので「はい」をクリックする。

  • Copilot in Windowsに「邪魔しないでください」と指示

タスクバーから通知を確認すると「応答不可モード」が有効になっていることを確認できる。

  • タスクバーから応答不可モードが有効になっていることを確認

この設定を解除するには「邪魔しないモードを解除してください」のように入力すれば良い。

  • Copilot in Windowsに「邪魔しないモードを解除してください」と指示

生成AIはその仕組み上回答内容が非決定論的であり、同じ入力であっても毎回異なる結果を返すことが多い。このため、執筆時点では「邪魔しないでください」で応答不可モードを有効化できているが、これがいつまでこの動作と結び付いてくれているかはなんとも言えない。学習がアップデートされたり、モデルがアップデートされれば別の回答をするようになる可能性もある。その場合には「応答不可モードを有効にしてください」のように、より正確に指定をする必要が出てくると考えられる。

フォーカスセッションを設定

仕事に集中したいときのライフハックの1つとしてフォーカスセッションを設定するという方法もある。これは集中したい時間を指定して、その間は通知を控えてもらうというもので、例えばCopilot in Windowsに「1時間のフォーカスセッションを設定してください」のように指示することで有効化できる。

  • Copilot in Windowsに「1時間のフォーカスセッションを設定してください」と指示

タスクバーから確認するとフォーカスセッションが動作していることが分かる。

  • タスクバーからフォーカスセッションが有効化されていることを確認

設定した時間が経過するとフォーカスセッションはまた無効な状態に戻る。

Copilot in Windowsに慣れることがファースト・ステップ

当然だが、Copilot in Windowsから設定または操作できる内容は設定アプリケーション、コントロールパネル、タスクバー、各種設定ダイアログ、ショートカットキーから扱うことができるものだ。すでにショートカットキーを覚えているとか、UIのどこをどう操作すれば良いかを把握している場合、Copilot in Windowsから操作することの有用性は低い。

これは時間が経過してCopilotに慣れることと、Copilot in Windowsから操作できる内容が増えることで、いずれ逆転する可能性がある。Copilot in Windowsの利点はプロンプトからの操作でさまざまなことができるという点にある。自然言語による指示で多様なことができるようになれば、ここから指示する方が楽という状況になっていくことも考えられる。

その状況が一体いつ実現するかはまた別の問題なのだが、現在のMicrosoftの姿勢を見る限りでは着実に前進していくように思える。まだプレビュー版という位置付けだが、今からCopilot in Windowsを使い倒していくことは将来のWindows操作スキルを向上させるという点において悪い投資ではないはずだ。

付録: ショートカットキー

ショートカットキー 内容
「Windows」+「C」 Copilot in Windowsの表示・非表示を切り替え

付録: 対応バージョン

OS バージョン
Windows 11 Windows 11, version 22H2以降
Windows 10 Windows 10, version 22H2以降のProおよびHome

参考