Chromebookは単機能デバイスとして特にテレワークや文書閲覧などに特化した使い方が便利だ。WindowsやMacと比較すると汎用性は低いが、価格が廉価であるため手軽に入手できる。iPadと比較した場合は価格面で優位性があり、特定の用途向けのデバイスを調達するにはよい選択肢となる。今回はその辺りを取り上げる。→連載「Chromebookはビジネスでどこまで使えるか?」のこれまでの回はこちらを参照。
廉価で特化したツールにできるところがChromebookの強み
これまで何度も取り上げてきたように、Chromebookは特に単機能用のデバイスとして活用する時に力を発揮する。テレワークをしているなら、オンライン会議専用デバイスとして使うというのが特徴的な使い方といえる。
WindowsやMacは汎用性が高く、性能も高いモデルが多い。その分、価格も高価になる。一方、Chromebookは値段が廉価で入手しやすい。反面、WindowsやMacよりは汎用性が低い。Chromebookで、WindowsやMacでできることをしようとすれば何とかなるものの、WindowsやMacほど汎用的に使えるかといえばそんなことはない。
こうした特性を加味すると、Chromebookは特定の用途に特化したデバイスとして活用すると、その価値を最大限に享受できる。タブレットのように小型なモデルも多いので、収納時も邪魔になりにくい。必要なときにサッと取り出して使い、終わったら片付けてしまう。そんな使い方がしやすいデバイスだ。
タブレットデバイス、例えばiPadとの違いはやはり価格だ。ChromebookはiPadと比較すると、廉価に入手できることが多い。特定の用途向けのデバイスを調達するならChromebookがよい候補になる。
ドキュメントリーダとして使う
Chromebookは文書を読むためのデバイスとして使うという手もある。情報を得るだけであればスマートフォンでも十分なのだが、表やグラフなどのデータを含む文書を読む場合は、タブレットデバイスくらいのディスプレイサイズが欲しくなってくる。Chromebookはそうした用途に向いている。
コンテンツの購入およびリーダのサービスはいくつかあるが、まず有名なのはAmazon Kindleだ。豊富なコンテンツとさまざまなデバイスに対応したリーダがある。ChromebookでもAmazon Kindleを使うことができる。
ほかのアプリと同じように、Amazon KindleもGoogle Playストアからインストールできる。
Amazon Kindleの使い方はほかのデバイスと同じだ。最初はコンテンツがないので、Amazonのアカウントでサインインする。Amazonのアカウントでサインインすると、そのアカウントで購入したコンテンツが閲覧できるようになる。
あとは、Amazon Kindleで必要なコンテンツを見ていけばよい。
Amazon Kindleはあくまでもこうした用途でのサンプルだ。ほかのコンテンツストアとアプリを使っているなら、そちらのアプリを使って同じことをすればよい。
Chromebookなら実現しやすい、複数台数の利用
電子書籍と物理書籍の大きな違いは、例えば物理書籍は異なる書籍を2冊同時に机の上において利用できる一方、電子書籍は表示するコンテンツを切り替えて使う必要があるということだ。
電子書籍は物理的にはデバイスが1つであり、そのデバイスの中でコンテンツを切り替えて使う。数冊の書籍を読みながら作業をする必要がある場合、このコンテンツの切り替えがストレスになる。
かといって、同時に利用するコンテンツの数だけデバイスを購入するのは考えものだ。これをiPadで実現しようとすると、結構な価格になる。この目的のためだけに複数台のiPadを購入するのは、お財布が許さない人が多いだろう。
一方、上述したように、Chromebookは比較的廉価に調達することができる。電子コンテンツも2、3のドキュメントを同時に表示して使いたいのであれば、廉価なChromebookをそれ用に購入して専用で使ってもiPadほどは予算的に苦しくない。最新モデルで実現しようとするとそれなりに高額になるが、それほど性能は要求されないので、以前のモデルを購入して実現できる。
このような使い方ができるところがChromebookの活用しがいのあるところだ。電子コンテンツの閲覧用に複数のデバイスを使うというのは贅沢な話だが、それが仕事に直結するというのなら調達した方がよい。いちいちコンテンツを切り替えるといったストレスや時間的損失が発生するよりも、複数のデバイスを調達して同時に使ったほうが効率がよい。
Chromebookを使いこなすには特徴を生かすことがポイント
ビジネスマンの多くは仕事でWindowsを使っている。シェアは少ないが、業務によってはMacを使っていることもある。WindowsもMacも汎用的に利用できるオペレーティングシステムであり、歴史も長い。その点では蓄積されたノウハウも知識も相当なものがあり、Chromebookで同じようなことをしようとしても目劣りしてしまう。
Chromebook活用のポイントは特性を生かした使い方をするところにある。普通、文章を読むために必要な数だけWindowsパソコンを購入することは考えない。同時に読む必要があるなら、4Kや8Kの大きなディスプレイを調達するとか、デュアルディスプレイ、またはトリプルディスプレイのようにして同時に表示できるようにする方法を検討するだろう。
これをChromebookで実行しようとした場合、Windowsと同様にディスプレイを大きくするのではなく、その分だけChromebookを調達すればよいと考えられる。Chromebookはアップデートの手間は簡単だしメンテナンスに手間がかからない。複数台持っていてもそれほど負担にならない。同時に表示したいコンテンツの数だけ調達するというのはChromebookならではの発想だ。