CEATEC JAPAN 2018におけるソシオネクストのブースでは、8K時代の本格到来に向け、HDMI 2.1に対応した8K用映像処理チップ「HV5シリーズ」を用いた実機による映像表示デモンストレーションなどの紹介を行っている。

8Kの映像伝送・出力表示に対応したLSI

HDMI 2.1は最大帯域48Gbpsと、8K映像を1本のケーブルで伝送することが可能な規格。今回のCEATEC JAPAN 2018では8KTV用映像処理チップ「SC1H06AT1」を用いた4Kコンテンツのアップコンバートデモと、8Kインタフェース変換チップ「SC1H05AC01」を用いて、これまでHDMI 2.0を用いて4K映像を4チャネル出力することで8Kを実現していた8Kメディアプレーヤ「S8」の出力を1本のHDMI 2.1に変換するデモが行われている。

  • 8Kインタフェース変換チップのデモ
  • 8Kインタフェース変換チップのデモ
  • 8Kインタフェース変換チップ「SC1H05AC01」のデモ。8Kメディアプレーヤーから出力された4本のケーブルを1本のHDMI 2.1に変換し、映像を出力している

SC1H05AC01は、1チップで8K/60Pに対応しており、2チップ構成では8K/120Pの出力が可能。また、アップスケーリング機能および、独自の高画質化技術を搭載しており、フルHDや4Kのコンテンツも8Kパネルに最適な画質で再現することを可能としている。

  • 8KTV用映像処理チップ「SC1H06AT1」を用いたデモ
  • 8KTV用映像処理チップ「SC1H06AT1」を用いたデモ
  • 8KTV用映像処理チップ「SC1H06AT1」を用いたデモ。実際のデモは右の2つのボードの組み合わせで行っており、4Kコンテンツを8Kにリアルタイムでアップコンバートして出力している(アップコンバートを止めた状態を見ることも可能)

エッジAIの推論処理を加速させるSoCアクセラレータ

このほか、同社ブースでは、エッジコンピューティング向けAIプラットフォームの紹介も行われている。

現在、同プラットフォームは第2世代となるVision Processor(VPU)の開発が進められており、コンピュータビジョン処理を第1世代のプロセッサ比で約100倍の性能を実現するエッジコンピューティング向けアクセラレータエンジン「NNA(Neural Network Accelerator)」、プロセッサ型アクセラレータ「DPU(Data Parallel Accelerator)」、低消費電力の「HWA(Hardware Accelerator)」の3つと、1GBのDDRメモリをMCP構成で1チップ化するLink Memoryにより、外部メモリ帯域の消費を低減することで、低消費電力かつ高性能を実現することが可能になるとする。

また第2世代ではOpenVXにも対応しており、これによりさまざまなアプリケーションで、ディープラーニングを活用したコンピュータビジョン処理を高速かつ低消費電力で実現できるようになるとしている。

  • 第1世代VPUを搭載したボード

    第1世代VPUを搭載したボード

このほか、同社ブースでは、音響ソリューション「ForteArt(フォルテアート)」の視聴体験も可能となっている。これは、ソフトウェアIPで、圧縮音源で削除されたような低音域を拡張して音に深みを持たせたり、反射音や残響音を疑似的に生成することで、臨場感を高めたり、モノラル音声などの低品質音源を、独自リマスタ処理により、多ch音声に瞬時に変換するといったような技術の総称。一部のテレビなどにもすでに活用されている技術だが、今後は、スマートフォンなど、さまざまな機器への搭載していきたいとのことで、その搭載先の探索をCEATEC JAPANで行っていければとしていた。