「䞖界最高のクルマができた」。むンホむヌルモヌタ車を開発しおいるSIM-Drive瀟の取締圹䌚長であり、犏歊グルヌプの犏歊総䞀郎氏は、SIM-Driveが詊䜜した先行開発車第2号SIM-WILをこう評䟡した。続いお枅氎浩代衚取締圹瀟長は、「東日本倧震灜を機に゚ネルギヌの重芁性ず電気自動車の倧切さを改めお実感した」ず語った(図1)。

図1 SIM-Driveが開発した第2号車「SIM-WIL」

今回の第2号車は、乗り心地や居䜏性、加速感などを加味しお実甚性に近づけたこずが1号車ずは異なっおいる。1号車は航続距離を長くするこずを䞻県に眮いおいた。この方策の1぀ずしお、空気抵抗を少なくするこずも考慮に入れおデザむンした結果、クルマの埌方郚を長くした。いわば空気の流れが埌方で枊を䜜らせないためのデザむンであった。2号車はクルマの埌方も䞀般車ず同様な構造にし、居䜏空間を確保するこずを䞻県に入れた。「1300~1500ccのクルマの倖圢で高玚車䞊みの居䜏空間を実珟した」ずいう。

衚1 1号車およびリヌフ(日産)ずの基本性胜比范

衚1で瀺すように、今回の2号車は倚少性胜を犠牲にしおも居䜏性を改善し、䞀般的なクルマに近づけようずいう狙いがわかる。1号車ず比べ、玄1.4倍も倧きな容量の電池を搭茉するこずで、航続距離を長くしようずした。1号車は倖圢よりも航続距離を重芖したが、2号車は居䜏性ず䞀般車䞡の倧きさにこだわった。クルマの幅はリヌフに近づき、長さは逆に短いのにもかかわらず、小型車の倖圢サむズ(Bセグメント)で倧型車(Eセグメント)に盞圓する車宀空間を達成したずいう。

図2 床はすべお平ら

SIM-Driveの居䜏性の良さは、トランスミッション軞がないために床が宀内に枡り䞀様に平らであるこずからもわかる(図2)。SIM-Driveのクルマの特長は2぀ある。1぀は、トランスミッション軞を持たないむンホむヌルモヌタ機構であるこず。぀たり、車茪ごずにモヌタを取り付け回転させおいる。トランスミッションの軞がないため床を高くする必芁はない。もう1぀は、バッテリずむンバヌタを蚭眮する堎所を決めモゞュヌル方匏(コンポヌネント・ビルトむン方匏)で、完党平床構造であるこずだ。このモゞュヌル方匏は乗甚車だけではなくバスでも同様な構造を採る。ただし、モゞュヌルの長さや広さは異なる。平床であるずいうこずは運転垭から埌郚座垭ぞの移動が簡単であり、もちろん助手垭ぞの移動も可胜だ。

図3 コンポヌネントビルトむン方匏で床は平ら

図4 凹凞がないため車内を楜に行き来できる

この2号車は35.1kWhのバッテリで351kmの走行距離を実珟した。ガ゜リン車の燃費に盞圓する、走行゚ネルギヌの消費量は100Wh/kmずなる。これに充電噚の効率を97%ずしお亀流電力量消費率、すなわち電気自動車の燃費のような数倀を求めるこずができる。この亀流電力量消費率97%は、SIM-Driveが充電噚の効率に関するノりハりを持っおいないため、日産リヌフに䜿われた数字を流甚した。97%の充電噚の効率を加味するず、2号車の亀流電力量消費率は103Wh/kmずなる。すなわち、リヌフが1kmを走るのに必芁な゚ネルギヌは124Whであるのに察しお、2号車は103Whですむずいう蚳だ。同じ電池容量を䜿うずしおリヌフず比べるず、1.2倍の航続距離が埗られるこずになる。1号車は95.8Whずさらに"燃費"は良い。

むンホむヌルモヌタ車は機械的なトランスミッション郚分がないために゚ネルギヌ効率は䞀般の電気自動車よりも高い、ず枅氎瀟長は述べる。2号車は居䜏性を重芖するこずで、1号車よりも゚ネルギヌ消費量は若干悪くなったものの、居䜏性は改善された。それでも商甚のリヌフず比べお1.2倍の走行距離を実珟できた。このこずは、車䜓の圢状を流䜓力孊的に空気抵抗を枛らす蚭蚈にこだわるこずなく居䜏性を重芖したずしおも、モヌタ1個のトランスミッション系電気自動車ず比べるず゚ネルギヌ消費効率は1.2倍䞊がるこずをSIM-Driveは実蚌した。

2号車ではバッテリ容量を倧きくしおも居䜏性を確保できるこずも実蚌した。バッテリ容量を倧きくすれば圓然走行距離は䌞びる。しかし、バッテリを増やすず居䜏空間は狭くなりやすい傟向がある。今回の2号車では居䜏空間を犠牲にするこずなく5人分の座垭も確保した。これはコンポヌネントビルトむン方匏のプラットフォヌムで平床構造だからこそ、居䜏性を確保できたのである。ただし、バッテリ容量を増やした分、コストは䞊昇したはず。量産によっおどこたでバッテリコストを䞋げられるか、実甚化する䞊で航続距離ずコストずの最適化が求められるようになる。

2号車では将来のスマヌトハりスずの連携も加味しお、家庭で䜿えるポヌタブルな充電噚も開発した。クルマぞの充電にはCHAdeMO仕様のプラグを甚い、充電噚からは家庭甚の100V/200V電源コヌドに぀なげるようにしおいる(図5)。

図5 ポヌタブル充電システムで䞀般家庭でもこのたた充電できる