ON Semiconductorの日本法人であるオン・セミコンダクターは2019年1月16日から18日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている、自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における先端テーマの最新技術が一堂に介する展示会「オートモーティブ ワールド 2019」において、実際に自社のさまざまな車載向けデバイスを活用した動くデモを複数展示している。
例えば、実際に動くデモとしては、開発品扱いだが、12chのLEDドライバICを32個用いて384個のLEDを個別制御することで、アニメーションのような動きをリアランプに行わせることを可能としたものや、OPEN Alliance SIGが規定する100Mbpsの車載イーサネットや、パークアシスト用ソナーセンサコントロール用IC、ステッパモーターコントロール用IC、CMOSイメージセンサ、そして各種電源IC、LDO、DC/DCなど、マイコンを除く自社の車載向け半導体各種を搭載し、超音波(ソナー)で人物を検知、その人の動きに合わせてイメージセンサの向きを変え、そこで捉えた映像をネットワークを経由して表示するといったもの、1チップで最大7chに対応するハーフブリッジプリドライバを用いたパワーシートなどを見ることができる。
アニメーションランプは、実際にV2VやV2H(Human)のコミュニケーション用途として、国際化に向けた動きが出てきており、そうしたニーズを汲み取ったもの。LEDが点発光である点に着目し、個別にLEDを制御することで、さまざまな表現が可能となるほか、リアランプのみならず、さまざまな用途への応用が期待できるという。
また車載イーサネットを活用したデモは、自社のさまざまなデバイスの用途を説明するために作られたもの。超音波は、デバイスにもっとも近い人物をターゲットとして追従し、その動きに合わせて、イメージセンサの向きが変わっていく様子を見ることができる。
パワーシートデモは、メカ式リレーが多い現状のソリューションをエレクトロニクス化しようというもの。部品の集約や、機械の駆動音がなくなるため、車室内の消音化といった効果のほか、駆動系が減ることによる信頼性の向上といったメリットも得ることができるようになるという。
このほか、パワーモジュールのソリューションとして、IGBTにゲートドライバも搭載したASPM(Automotive Smart Power Module)のデモも行われている。
これは、電気自動車向けに650Vで30/40/50Aで駆動する電動コンプレッサ向けのモジュールで、IGBTにゲートドライバも内蔵しているため、APM(Automotive Power Module)から、さらに一歩進んだASPMという位置づけとなっている。
実際のデモでは、会場の電力の都合もあり、400Vほどに昇圧して駆動させ、風を送り出す様子を見ることができる。同社では、モジュール技術の開発にも注力しており、ロジックICを入れるといったことも対応可能。モジュール内部に入れる各種デバイスもほぼ自前でそろえることができ、各種のモジュール化ニーズに対応できるとするほか、もともとの出自であるディスクリートも取り揃えており、カスタマの課題に応じてトータルソリューションで解決手法の提案ができる体制が整っているとしており、そうした技術への深い知見を武器に、市場の拡大を目指していきたいとしている。