今回は「画像」に関連する拡張機能の第2弾として、「Image Slideshow」、「Image Translator」、「Hive AI Detector」の使い方を紹介していこう。万人向けの拡張機能ではなく、ニッチなニーズを満たしてくれる拡張機能といえるが、興味がある方はいちど試してみるとよい。
画像に関連するユニークな拡張機能
今回は、少しユニークな拡張機能として、「Image Slideshow」、「Image Translator」、「Hive AI Detector」の使い方を紹介していこう。
これらは、それぞれ以下のような機能を提供してくれる拡張機能となる。
◆Image Slideshow
Webページ内の画像を「スライドショー」で表示してくれる
◆Image Translator
画像内の文字を「OCRして翻訳」してくれる
◆Hive AI Detector
画像が「AIで生成されたものか?」を判定してくれる
ページ内の画像をスライドショー表示「Image Slideshow」
最初に紹介するのは、Webページに掲載されている画像をスライドショー表示できる拡張機能「Image Slideshow」だ。執筆時のユーザー数はわずか473人で、かなりマイナーな拡張機能といえるが、「おすすめ」と「定評のあるパブリッシャー」のバッジ(※)が付けられているので、安心して使用できるだろう。
※「おすすめ」のバッジ
Googleの技術に関するベスト プラクティスに沿っており、ユーザー エクスペリエンスとデザイン面で高い基準を満たしている拡張機能。Chromeウェブストア チームによる審査を経て付与される。
※「定評のあるパブリッシャー」のバッジ
身元が確認済みで、デベロッパー プログラム ポリシーを遵守しているパブリッシャーであることを示す。
拡張機能の追加手順はいつもと同じ。「Image Slideshow」の紹介ページを開き、右上にある「Chromeに追加」をクリックする。続いて、「拡張機能を追加」ボタンをクリックするとインストールが完了する。
それでは、使い方を紹介していこう。Webページを開き、「拡張機能」のアイコンから「Image Slideshow」を選択する。
すると、このような画面が表示されるので「Scan for IMGs」をクリックする。
Webページ内の画像をスキャンする処理が開始される。この処理は、数秒程度で済むケースが多いようだ。
スキャンが完了すると、ウィンドウ全体に画像が1枚ずつ拡大表示される。あとは、左右のボタンをクリックして“前後の画像”に切り替えていくだけ。操作手順は、一般的なスライドショーと同じだ。キーボード操作にも対応しており、「矢印」キーで前後の画像へ移動することも可能となっている。
このように「Image Slideshow」を使うと、Webページ内の画像を次々と拡大表示していくことが可能となる。まずは画像をよく見て、「ウィンドウショッピングのように商品を探していきたい」といった場合に重宝するだろう。
ただし、ページ内にある「ロゴ画像」などもスライドショーに表示されてしまうのが難点といえる。「100ピクセル未満の画像は無視される」という仕様になっているが、必ずしも“見たい画像”だけがスライドショー表示されるとは限らない。
設定画面は用意されていないので、動作を改善することも不可である。その反面、クリックひとつで手軽に使えるのが魅力といえる。この手の機能は、いちいち設定してから使用するのではなく、すぐに使えた方が利便性が高いと思われる。そういう意味では、これがベストな動作仕様なのかもしれない。
画像内の文字を翻訳「Image Translator」
続いて紹介するのは、OCR技術により画像内の文字を抽出し、さまざまな言語に翻訳してくれる拡張機能「Image Translator」だ。本連載の第1回~第3回でも「翻訳」の拡張機能について紹介したが、これらが対応するのは“テキスト”のみ。“画像内の文字”には対応できない。
このような場合に活用できるのが「Image Translator」だ。「Image Translator」の紹介ページには、「コミック翻訳者」、「マンガ翻訳者」といったサブタイトルが付けられているが、マンガ以外の図版に活用することも可能だ。
拡張機能の追加手順はいつもと同じ。画面の右上にある「Chromeに追加」をクリックし、続いて「拡張機能を追加」ボタンをクリックすればよい。
「Image Translator」をインストールすると、以下の図のような画面が“新しいタブ”に表示される。この画面は「Image Translator」の使い方を紹介しているだけなので、そのまま閉じてしまって構わない。
それでは、「Image Translator」の使い方を紹介していこう。“外国語で説明が記されている画像”が掲載されているWebページを開き、「拡張機能」のアイコンから「Image Translator」を選択する。
Webページ内に掲載されている画像が一覧表示されるので、“翻訳したい画像”のチェックボックスをONにし、「Translate (N) image」ボタンをクリックする。なお、(N)の部分には「選択した画像の数」が数字で表示される。
初めて「Image Translator」を使用するときは、以下のような画面が表示される。ここでは「翻訳先の言語」を選択すればよい。
翻訳先の言語を指定できたら、もういちど「Translate (N) image」ボタンをクリックする。すると、今度はログインを促す画面が表示される。どうやら「Image Translator」はログインしないと使えないようだ。「Login」ボタンをクリックする。
アカウント登録の画面が表示されるので、メールとパスワードを登録するか、もしくはGoogleアカウントと紐づけてログインする。
その後、もういちど先ほど示した手順で操作を進めていくと、画像を翻訳できるようになる。以下の図は、日本語に翻訳した後の画面を示したものだ。画像内の文字(外国語)が日本語訳に置き換わっているのを確認できるだろう。「拡大」アイコンをクリックして、翻訳された画像だけを拡大表示することも可能だ。
なお、「Image Translator」にログインしている場合は、画像の左上に表示されるアイコンをクリックして画像翻訳を実行することも可能となっている。
このように、状況によっては便利に活用できる拡張機能といえるのだが、残念ながら使用回数の制限が設けられている。無料プランでは10回までしか画像を翻訳できず、それ以降は有料プランへのアップグレードが必要となる。よって、気軽に使える拡張機能とは言い難い。「画像を翻訳する機会があるか?」を含めて、その必要性を各自で判断するとよいだろう。
AI生成された画像を見破る「Hive AI Detector」
最後に紹介するのは、画像が「AIにより生成されたものか?」をチェックしてくれる拡張機能「Hive AI Detector」だ。フェイク画像を見破るときなどに活用できるが、そのような機会は滅多にないと思われるので、どちらかというと興味本位で試してみる拡張機能といえるかもしれない。
拡張機能の追加手順は、「Hive AI Detector」の紹介ページにある「Chromeに追加」をクリックし、続いて「拡張機能を追加」ボタンをクリックするだけ。特に変わった点は見当たらない。
「Hive AI Detector」をインストールすると、以下の図のような画面が“新しいタブ”に表示される。こちらは「使い方を紹介するページ」なので、そのまま閉じてしまって構わない。
それでは、画像をチェックするときの操作手順を紹介していこう。チェックしたい画像を右クリックし、「Hive AI Detector」を選択する。
すると、以下の図のように判定結果が表示される。この例では、AI生成の疑いが5.0%で「AIによる生成画像ではない」と判定された。もちろん、この画像はAI生成ではなく、人が実際に撮影したものだ。よって、適切な判定結果といえる。
次は、明らかにAI生成されている画像で試してみよう。以下の図は、Adobeの「アート生成AI」のWebページに掲載されていた画像をチェックした例だ。AI生成の疑いは99.1%で「AIにより生成された画像」と判定された。こちらも正しい判定結果といえるだろう。
もう少し難しい例で「Hive AI Detector」の精度を検証してみよう。以下の図は、「AIで生成した写真か?」それとも「本当に撮影した写真か?」を見分けるクイズを紹介しているWebページだ。「CNET」に掲載されていた記事で、全部で17問の問題(写真)が出題されていた。
これらの写真を「Hive AI Detector」で判定してみたところ、正解したのは15問。残りの2問は、AIで生成した画像を「AI生成ではない」と判定するミスが確認された。この結果を見ると、「Hive AI Detector」の精度は完璧ではないようだ。
とはいえ、このページに掲載されていた問題は相当に難しいもので、人の目で見ただけでは「AI生成か、それとも実際に撮影された写真か?」を見分けられない写真が大半を占めていた。そういった状況の中、15/17問を正解しているのだから、「ある程度の信頼性はある」といえるだろう。興味がある方は、実際に試してみるとよいだろう。