Microsoftは11月3日(現地時間)、Windows 11のメモリ使用量を削減し、8GBメモリ搭載PCのマルチタスク処理速度を最大40%改善したと発表した。2026年1月時点と9月時点のWindows 11を比較した試験では、複数のMicrosoft 365アプリやEdgeを同時に使用した際の処理速度が向上。Windows 11や関連アプリ全体のメモリ使用量も最大900MB削減したという。

8GBメモリPCのマルチタスク処理速度が最大40%向上

Microsoftはこれまで、一般ユーザーには最低16GB、ゲーム用途には32GBのメモリを推奨してきた。しかし、メモリ価格の高騰を背景に、同社は8GBメモリ搭載PCの販売を再開した。OEM各社も、比較的少ないメモリで動作するMacBook Neoに対抗する製品として、8GB搭載PCの開発と販売を進めている。

今回、Microsoftは8GBメモリを搭載した同一構成のPCを2台用意し、Windows 11の動作を比較した。1台には2026年1月時点のWindows 11(ビルド26200.7623)を、もう1台には9月時点のWindows 11(ビルド26200.9445)を適用した。両機でEdgeのタブを20個開き、4K動画を再生したうえで、Word、PowerPoint、Excel、Outlook、エクスプローラーなどを操作した。

試験ではWebサイトやアプリを順番に表示し、右クリックメニューを開く操作が行われた。操作自体は両機で同一だったが、9月のWindows 11が先に処理を終えた。これに対し、1月版では白い画面がしばらく表示されるなど、読み込み中の状態で停止する場面があり、処理のもたつきが確認された。

同社はこの試験で最大40%のマルチタスク処理速度の向上を確認したと発表。小規模ビジネスや教育、自宅PC利用で利便性が高まったと説明した。ただし、この結果は機器の構成、アプリのバージョン、使用状況などで変わる可能性がある。

また、Microsoftはスタートメニューや検索、右クリックメニューなど、Windows 11の基本操作における応答速度も最大20%改善したと説明している。マルチタスク処理だけでなく、日常的な操作の快適性向上も図られている。

試験結果は比較動画としても公開された。動画では「October 2026」の表示を確認でき、動画の説明欄にも10月の更新プログラムを適用したとある。しかしながら、動画内部の説明では1月と9月のWindows 11ビルドを比較したことが明示されている。ブログ記事でも9月のビルド番号を掲載しており、「10月」の説明は誤りと推測される。

メモリ使用量の増加を最大900MB抑制

Microsoftは、マルチタスク処理の試験において、システムのコミット済みメモリの増加量を最大900MB削減したことも明らかにした。これはWindows 11単独の改善効果ではなく、Microsoft EdgeやMicrosoft 365アプリのメモリ管理の最適化などを組み合わせた結果だという。

ただし、Edgeの改善効果については注意点がある。Edgeには、一定時間使用していないタブをスリープ状態に移行し、メモリ使用量を削減する機能が搭載されている。

今回、Microsoftはスリープ状態に移行するまでの時間を従来の2時間から15分に短縮したと説明している。このため、Edgeによるメモリ削減効果は、開いているタブの数や使用状況によって異なると考えられる(参考:「Sleeping Tabs in Microsoft Edge | Save Memory and Improve Performance」)。

これら改善幅はPCの性能や構成にも左右される。Windows Latestの記者は、CPU性能が低い機種では低遅延プロファイルの改善効果が薄く、40%の性能向上は期待できないと指摘。メモリが少ない機種でも、CPU性能は軽視できないとの見方を示している。