Stratistics Market Research Consulting(Stratistics MRC)は11月3日、世界のAIデータセンター向けシリコンフォトニクス市場に関する調査結果を発表した。市場規模は2026年の39億米ドルから2034年に146億米ドルへ拡大し、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は18.0%になると予測している。

シリコンフォトニクスは、シリコン半導体技術と光通信技術を組み合わせ、光信号による高速データ伝送を実現する技術。同社によると、生成AIや大規模言語モデル(LLM)、高性能コンピューティング(HPC)の普及に伴い、AIデータセンターでは計算処理量とデータ転送量が増加している。GPUやAIアクセラレータを多数接続する環境では、プロセッサやメモリ、ネットワーク機器の間で大量のデータを高速にやり取りする必要があり、光通信技術への需要が拡大するとみている。

光トランシーバーが最大市場、AI推論向けは高成長

コンポーネント別では、電気信号と光信号を相互に変換する光トランシーバーが、予測期間中に最大の市場シェアを占める見通しとなっている。

用途別では、AI推論インフラが予測期間中に最も高いCAGRを記録すると予測。AI推論は、学習済みのAIモデルを使って文章生成や画像認識、音声処理、予測分析などを実行する処理を指す。生成AIサービスやリアルタイムAIアプリケーションの普及を受け、推論処理を支えるデータセンターインフラへの需要が拡大するとしている。

  • AIデータセンター向けシリコンフォトニクス市場予測

    AIデータセンター向けシリコンフォトニクス市場予測(2034年まで)

北米が最大市場、アジア太平洋地域は高い成長率

地域別では、北米が最大の市場シェアを維持すると見込む。北米には大手クラウドサービスプロバイダーや半導体メーカー、AI開発企業、ハイパースケールデータセンター事業者が集積しており、AIコンピューティング施設や高速ネットワークへの投資が需要を押し上げるという。

一方、アジア太平洋地域は予測期間中に最も高いCAGRを記録すると予測。中国、日本、韓国、インドなどにおけるAIの導入やクラウドサービスの普及、半導体産業の発展、データセンター投資を背景に、高速通信や高性能コンピューティング、省電力ネットワークへの需要が増えるとの見方を示した。

同社は、市場拡大の課題として製造コストと技術的な複雑さを挙げている。シリコンフォトニクス部品の製造には、専用設備、高精度な光学位置合わせ、先進的なパッケージング、電子回路との統合などが必要になる。このため、生産コストの上昇や量産化の難しさにつながる可能性があるという。

また、従来の電気インターコネクトや、ほかの光通信アーキテクチャとの競争も課題になる。市場における競争要素には光通信速度、帯域幅、電力効率、製造コスト、集積密度、既存ネットワークとの互換性などが含まれると分析している。

今回のレポートでは、2023年から2034年までの市場データと予測を扱う。市場をコンポーネント、製品アーキテクチャ、データ伝送速度、データセンターの種類、導入形態、用途、地域に分け、市場規模や成長要因、競争環境などを分析。予測期間は2026年から2034年までとしている。