Check Point Software Technologiesは2026年10月27日(米国時間)、「Tricks from the Past deployed via signed ChatGPT and Claude binaries - Check Point Research」において、ChatGPTやClaudeのデスクトップアプリを利用するマルウェア配布キャンペーン「Yoba」を発見したと報じた。
同社の調査部門Check Point Researchによると、攻撃者はGitHub上に偽のプロジェクトや紹介ページを作成し、AIアプリを探すユーザーを悪意のあるインストーラーへ誘導したという。
Google検索から偽アプリに誘導、正規の電子署名を悪用
攻撃者はGitHub上にChatGPTやClaudeを装う偽プロジェクトを作成し、悪意のあるZIPファイルを公開していた。一部のプロジェクトはGoogle検索の上位にも表示されており、Check Point Researchは、検索結果を悪用して利用者を誘導する「SEOポイズニング」が使われた可能性を指摘している。
関連するリポジトリーは2026年7月から作成され、8月末以降にはChatGPTやClaudeのほか、「GPT-6 Astra」を名乗るファイルも公開された。
攻撃の特徴は、OpenAIやAnthropicの正規の電子署名付き実行ファイルを悪用する点にある。配布されたZIPファイルには正規の「Setup.exe」と悪意のあるDLLファイル「winmm.dll」などが同梱されており、実行ファイルを起動すると、DLLも読み込まれる仕組みだ。この手法は「DLLサイドローディング」と呼ばれる。
正規の実行ファイルに電子署名が付いていても、同じフォルダーに置かれた別のファイルの安全性まで保証されるわけではない。研究チームは、悪意のあるDLLに検出回避や解析妨害の仕組みが組み込まれていたことも確認している。
暗号資産マイニング用ソフトを実行、別のマルウェア配布も可能
今回の攻撃では、マルウェア「YobaDropper」と「YobaLoader」が使われていた。これらを通じて攻撃者が最終的に実行させていたのは、暗号資産マイニング用ソフト「XMRig」だった。
ただし、YobaLoaderはマイニングソフト以外のプログラムも取得・実行できる仕組みを備えている。このため、攻撃者が同じ手法を使い、別の種類のマルウェアを配布する可能性もある。
Check Point Researchは、AIアプリをダウンロードする際には検索結果だけを信用せず、開発元の公式サイトから入手するよう注意を呼びかけている。正規の電子署名付き実行ファイルが含まれていても、配布ファイル全体が安全とは限らない。

