NTNは10月23日、工作機械主軸用軸受向け高速・長寿命グリース「SP-1」を2026年11月から量産開始すると発表した。高速回転と長寿命化を両立し、高速加工による生産性向上や設備の安定稼働、保守工数削減に貢献するという。
dmn値230万の高速回転性能を実現
同社は2024年にSP-1の開発を公表していたが、国内外の工作機械メーカーを中心に引き合いがあったことを受け、量産体制を整備した。今後は顧客による実機評価向けの供給を進め、正式採用に向けた提案活動を強化する。
SP-1は、高速回転時でも安定した潤滑性能を維持できるよう、基油や増ちょう剤、添加剤の組み合わせを最適化したグリースだ。これにより、工作機械主軸用軸受の高速回転と長寿命化を実現したという。
同社試験では、SP-1を封入した軸受がdmn値230万という業界最速水準の高速回転領域での運転を実現した。dmn値は軸受の大きさと回転速度を掛け合わせた指標で、高速回転性能を表す。
また、実際の使用環境を上回る条件で実施したdmn値140万の高速回転耐久試験では18,000時間超の運転を継続しており、高速回転環境における耐久性も確認した。
高速加工と保守負荷低減を両立
近年はEVや半導体、航空宇宙分野を中心に高精度部品の加工需要が拡大しており、工作機械にはさらなる高速化と高精度化が求められている。また、人手不足を背景に、設備の安定稼働や保守工数削減も重要なテーマとなっている。
工作機械主軸の高速回転領域ではエアオイル潤滑が広く採用されているが、給油装置などの付帯設備が必要になる。一方、SP-1によるグリース潤滑は高速回転領域への適用拡大を可能にし、設備構成の簡素化や省エネルギー化につながるという。
今後、NTNは提案活動を強化するほか、中国をはじめとするアジア市場への展開を進める。グリース潤滑の適用拡大を通じて、設備の省エネルギー化や製造業のカーボンニュートラル推進にも貢献するとしている。
