この半導体ニュースのまとめ
・ディスコの2026年7~9月期売上高は前年同期比36.4%増の1427億5000万円
・生成AI向けに装置・消耗品需要が伸び、営業利益は同52.3%増の676億600万円
・出荷額は過去最高の1486億7700万円、10~12月期はさらに高い1496億円を予想
ディスコは10月22日、2026年度第2四半期(2026年7~9月期)決算を発表した。売上高は前年同期比36.4%増、前四半期比24.9%増の1427億5000万円、営業利益は前年同期比52.3%増、前四半期比37.9%増の676億600万円となり、いずれも四半期ベースで過去最高を更新した。
経常利益は前年同期比45.2%増の659億9500万円、純利益は同43.5%増の461億4400万円。営業利益率は47.4%、経常利益率は46.2%、純利益率は32.3%となった。
生成AI向けを中心に精密加工装置の出荷が伸び、顧客による装置の検収も進んだことが背景にある。消耗品である精密加工ツールの出荷も、顧客の高い設備稼働率を背景に大幅に増加したとする。
収益面では、円安に加えて高付加価値製品の構成比上昇が寄与し、売上総利益率は前年同期から2.2ポイント上昇して71.7%となった。人件費や研究開発費を中心に販売管理費は増加したものの、増収と採算改善で吸収したとする。
上期売上高は前年同期比32%増の2570億円
2026年度上期の売上高は前年同期比32.1%増の2570億5800万円、営業利益は同47.9%増の1166億3900万円、経常利益は同44.0%増の1144億3700万円、純利益は同43.7%増の803億6600万円となった。
また、上期の売上総利益率は前年同期から2.6ポイント上昇して71.5%、経常利益率は同3.7ポイント上昇して44.5%となり、売上高と各利益は半期ベースでも過去最高を更新した。
生成AI向けとCPO関連需要で出荷額も過去最高を更新
ディスコは装置売り上げを顧客の検収時点で計上しているため、売上高は検収時期によって変動する。このため、半導体市場や顧客の投資動向を把握する指標として、売上高よりも出荷額を重視している。
2026年7~9月期の出荷額は前四半期比9%増、前年同期比54%増の1486億7700万円となり、過去最高を更新した。
精密加工装置では、メモリ向けが生成AIで使用されるHBMを中心に増加し、ロジック向けも生成AI用途を中心に高水準で推移した。
CPO(Co-Packaged Optics)関連の需要拡大も進んだという。ダイサでは半導体レーザーなどの光半導体向けや、光ファイバーアレイなどの光部品向けが増加。グラインダも生成AI向けを中心とするIC用途が全体をけん引した。
同社は、CPO関連の光半導体や光部品向け需要が徐々に増えているとの認識を示すものの、HBMが立ち上がった際のように、単独で業績を大きく押し上げる規模にはまだ達していないという。
今後は、ハイブリッドボンディングやパネルレベルパッケージングなどを含む先端パッケージングが本格量産へ移行し、ICパッケージング向けの加工需要が拡大するかが、業績への影響を左右するとみている。
精密加工ツールも過去最高を更新
消耗品である精密加工ツールも、顧客の設備稼働率上昇に伴って前四半期から増加し、過去最高の売上高を更新した。
装置の設置台数や稼働率が高まれば、ダイシングブレードなどの消耗品需要も増加する。生成AI向け半導体の需要の高まりに対応するための増産が装置需要に加え、既存設備で使用する消耗品の需要も押し上げた形となる。
製品別の出荷額構成比は、精密加工装置が63%、精密加工ツールが23%、その他が14%。精密加工装置の内訳はダイサが33%、グラインダが26%、周辺装置が4%だった。
2026年10~12月期の出荷額は1496億円を予想
2026年度第3四半期(2026年10~12月期)の見通しについて同社は、売上高1324億円、営業利益581億円、経常利益590億円、純利益415億円を見込む。
売上高と利益は第2四半期を下回る予想だが、顧客の検収時期を予測しにくいことに加え、想定為替レートを1ドル151円、1ユーロ173円と、前四半期の実績より円高に設定した影響があるとしている。
一方で市場動向との連動性が高い出荷額については、第2四半期を上回る1496億円とし、再び四半期最高を更新する見通し。生成AI向け需要は引き続き旺盛であり、今回の売上高減少予想は需要の鈍化を示すものではないとしている。
設備投資330億円、研究開発費380億円を計画
2026年度の設備投資額は約330億円、減価償却費は約160億円、研究開発費は約380億円とする従来見通しを据え置いた。
設備投資には、広島事業所の新工場と羽田R&Dセンターの建て替え、合理化に向けた機械・設備の導入などを含む。
同社は現在の繁忙へ対応するため、設備投資だけでなく、本社からの生産支援、生産工程の効率化、内製化を組み合わせ、生産体制を強化するとしているほか、生成AI向け半導体の加工量増加に加え、加工難易度の上昇、HBMやCPO、ハイブリッドボンディング、パネルレベルパッケージングなどによる加工対象の拡大を、中長期的な成長機会として取り込んでいくとしている。





