日立製作所と医薬品卸のケーエスケーは10月22日、医薬品配送業務のDXに向けた概念実証を9月末に完了したと発表した。同実証では、日立の物流ソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics」を活用し、配送担当者の欠員時に配送ルートを自動で再編する仕組みを検証。対象支店では、営業担当者による代行配送工数を60%削減したとしている。
欠員ルートの配送先を稼働可能なルートへ自動配分
ケーエスケーでは従来、配送担当者に欠員が発生した場合、営業担当者が配送を代行して医薬品の供給を継続していた。欠員分の配送先をほかの配送担当者や営業担当者へ割り振る作業も、手作業で行っていたという。
今回検証した「ポイントダイナミック機能」は、平常時には配送担当者が走り慣れた固定ルートを維持し、欠員の発生時に最適化エンジンを起動する仕組み。配送先の位置関係や納品時間、車両の入場可否、荷量、各ルートの負荷・余力などを照合し、別ルートで代行配送できるかを判断する。その上で、欠員が生じたルートの配送先を、稼働可能な別のルートへ自動で再配分する。
実証では、この運用モデルによって、従来は営業担当者が担っていた代行配送の工数を60%削減した。削減率は、対象支店における配送担当者の稼働状況などを基に算出したものである。
両社はこれまで、Hitachi Digital Solution for Logisticsを導入し、現場での検品や受領作業のデジタル化、配送・作業実績データの一元管理に取り組んできた。今回の実証では、この基盤を活用し、固定ルートによる通常配送と、状況に応じてルートを動的に組み替える運用との切り替えを可能にした。なお、同ソリューションは、日立が産業分野向けに展開する「HMAX Industry」の一つに位置付けられる。
NFCカードによる電子受領も導入
両社は、NFCカードを使った電子受領機能も導入する。同機能は、配送担当者がスマートフォンで納品先のNFCカードを読み取ると、事前に登録された受領先情報と照合され、受領日時や証跡がデータとして記録される仕組みだ。
これにより、紙伝票で行っていた受領作業を電子化し、伝票の回収・保管や支店での照合作業に伴う管理工数を削減する。また、受領先情報との照合によって、なりすましや誤受領の防止にもつなげる。
日立とケーエスケーは11月から、ポイントダイナミック機能とNFCカードによる電子受領をケーエスケーの各支店で順次稼働させる。現場への定着を進めた後、配送領域の受注・リソース情報と、倉庫内の作業・設備情報との連携にも取り組む計画だとしている。
