ガートナージャパンは、2026年4月に実施した日本国内の企業調査を基に、クラウドコスト管理の実態を明らかにした。クラウド利用の拡大に伴ってITコストに占めるクラウド関連コストの割合が増える中、想定以上のコストが発生しているとの相談も多く寄せられているという。
調査では、クラウド支出を把握するためのコスト管理ツールを導入している企業の割合が65.8%となった。一方、ツール導入による効果はコストの把握と削減で差が生じており、可視化の後はどのように最適化へつなげるかが課題となっている。
管理ツール導入企業の60.5%がコストを可視化
クラウドコスト管理ツールを導入した企業に、解決できた課題を尋ねたところ、60.5%がコストの「可視化」を挙げっていた。これに対し、コスト削減を達成した企業の割合は49.8%と半数を下回っていたという。
ガートナーのディレクター アナリストである山本琢磨氏は、クラウドコスト管理を請求総額の抑制だけを目的とする経費削減策ではなく、AIインフラやデータ活用などの成長投資につなげるための経営課題と位置付ける。無駄や非効率な利用を放置すれば、将来の成長投資や事業競争力を圧迫する恐れがあると指摘した。
58.3%がクラウドの構築・運用をほぼ外部に依存
クラウドの構築や運用に関する調査では、「自社がスキルを有しておらず、すべてを外部ITベンダーに依頼している」と回答した企業が12.4%、「自社でスキルを獲得しつつあるが、ほぼすべてを外部ITベンダーに依頼している」と回答した企業が45.9%だった。両者を合計した58.3%が、クラウドの構築・運用を概ね外部ITベンダーに依存している。
また、パブリッククラウドのIaaS構築と運用を一部でも外部ITベンダーに依頼している企業は8割を超えた。一方、すべてを自社で実施している、または部署横断型のチームで推進している企業は約1割にとどまっていた。
山本氏は、外部ITベンダーの活用によって効率的なシステム構築や運用を実現する企業がある一方、内製化を進めるスキルが不足している企業では、過度に高額なサービスの利用を避けられない場合があると説明する。ユーザー企業は自らコントロールすべき領域から内製化を進めるべきとしている。