この環境技術ニュースのまとめ
- 三菱重工と大阪ガス、次世代液体燃料(HVO)の環境価値を一元管理するデジタルプラットフォーム「CO2NNEX」のクリーン燃料証書制度実証における運用開始
- 証書手続きをデジタル化しダブルカウント防止、ガス・液体燃料双方への展開見据える
三菱重工と大阪ガスは、次世代液体燃料(HVO)の環境価値を一元管理するデジタルプラットフォーム「CO2NNEX」(コネックス)の「クリーン燃料証書制度」実証における運用開始を10月21日に発表した。
経済産業省 資源エネルギー庁が実施する、次世代燃料の環境価値認証・移転制度構築検討に向けた実証事業における取り組み。CO2NNEXは、三菱重工と大阪ガスが共同で開発・展開を進めている基盤で、これを活用し、クリーン燃料証書の発行・移転・償却の業務プロセスに必要なシステムの在り方の検討を行う。
次世代燃料として現在、e-ガソリン、SAF、HVO、合成メタン、バイオガスなどが注目を集めている。これらの普及にあたり、その環境価値を証書化して管理する制度の導入が検討されており、今回の実証は、制度の導入や制度設計上の課題検証を目的として実施する。
なおHVO(Hydrotreated Vegetable Oils:水素化処理植物油)とは、主に軽油の代替としての活用が期待されているバイオ燃料のこと。植物油や廃食油と水素を高温高圧で反応(水素化処理)させ、酸化に対して安定になるなど、物性を改良した点を特徴とする。
証書手続きをデジタル化、ダブルカウントも防止
大阪ガスと三菱重工は、今後の次世代液体燃料の普及と本格的な制度運用を見据え、CO2NNEXを通じて主に「手続きのデジタル化・業務効率化」と「環境価値の適正管理」といったふたつの価値創出をめざしている。
手続きのデジタル化・業務効率化では、証書の申請・認証・発行などにおける, 申請事業者と第三者認証機関との情報のやり取りをCO2NNEX上で完結。デジタルプラットフォームの導入により、書類手続などの実務負担を抑え、迅速な証書の認証・発行プロセスの構築を可能にする。
また、第三者認証機関によるデジタルでの承認結果は、システム内で証書が発行された後の移転・償却・管理の各プロセスへ自動的に反映することで、手作業を介さない証書管理が行えるようにする。
環境価値の適正管理については、デジタルトラスト技術を活用し、環境価値のダブルカウントをシステム上で防止する仕組みを構築。システム要件も整理し、トレーサビリティを確保した信頼性の高い証書制度の設計に寄与することをめざす。
CO2NNEXは、CO2の流通を可視化・管理するデジタルプラットフォームとして三菱重工が開発したもの。e-メタンやバイオガスの環境価値を証書化するクリーンガス証書の属性データの管理や移転・管理機能も実装しており、「2025年日本国際博覧会」や「長岡メタネーション実証」での活用事例があるという。
資源エネルギー庁は、都市ガス分野で合成メタンやバイオガスを対象としたクリーン燃料証書の制度実証も実施しており、三菱重工と大阪ガスはこの実証においても、実証に協力する事業者によるCO2NNEXの活用に向けた検討を進めている。
両社は今後、ガス・液体燃料の双方において、将来の社会インフラに求められる実用性と信頼性の高いシステム要件を構築・提供することで、多様な次世代燃料の社会実装に寄与していく。
