この電子部品ニュースのまとめ

・村田製作所が0201MサイズのNTCサーミスタを開発
・従来最小品と比べて実装面積を約60%削減しながら温度検知特性を維持
・2026年10月にサンプル提供を開始し、2027年中の量産開始を予定

村田製作所は10月20日、世界最小クラスとなる0201Mサイズ(0.25mm×0.125mm)のNTCサーミスタ「NCU01シリーズ」を開発したと発表した。

同社の従来最小品である0402Mサイズ(0.4mm×0.2mm)と比べて、基板上の実装面積を約60%削減しながら、抵抗値許容差±1%、B定数許容差±1%という同等の温度検知特性を実現した。

  • 村田製作所が開発した0201MサイズNTCサーミスタNCU01シリーズ

    村田製作所が開発した0201Mサイズ(0.25mm×0.125mm)のNTCサーミスタ「NCU01シリーズ」。従来最小の0402Mサイズ品と比べて実装面積を約60%削減した (出所:村田製作所)

発熱部品の近くで温度変化を検知

NTCサーミスタは、温度が上昇すると電気抵抗が減少する特性を持つ電子部品で、ICなどの発熱部品の温度監視や電子機器の温度制御、過熱保護などに用いられる。

スマートフォンやウェアラブル機器では、小型化と高機能化に伴って基板やモジュール内部の部品実装密度が高まり、温度センサを発熱部品の近くへ配置することが難しくなっている。

発熱部品から離れた場所で温度を測定すると、測定値と部品の実際の温度に差が生じるほか、温度変化の検出が遅れる場合がある。

NCU01シリーズは、外形寸法を0.25mm×0.125mmまで小型化することで、狭い実装スペースでもICパッケージやSiP(System in Package)モジュールの近くへ配置しやすくした。発熱源に近い位置で温度変化を捉え、電子機器の安定動作につなげる。

小型化しても許容差±1%を維持

NTCサーミスタは、小型化するほどセラミック素子や電極の高精度な加工が難しくなり、抵抗値や温度特性のばらつきを抑えることが課題となる。

村田製作所は、独自のセラミック材料技術と高精度加工技術に加え、製品構造と製造プロセスを最適化することで、0201Mサイズへの小型化と温度検知特性の両立を図ったという。抵抗値許容差は、規定された抵抗値に対する製品ごとのばらつきを示す。B定数は温度変化に対する抵抗値の変化を表す指標で、B定数許容差はそのばらつきを示す。

NCU01シリーズでは、抵抗値許容差とB定数許容差をともに±1%へ抑え、0402Mサイズの従来最小品と同等の温度検知特性を確保した。許容差を小さくすることで、製品ごとの特性差を抑えた安定的な温度検知を可能にする。

スマートフォンやウェアラブル機器を想定

主な用途は、スマートフォンやウェアラブル機器の基板、ICパッケージ、SiPモジュールなどの温度監視となる。

スマートフォンでは、高性能なプロセッサや通信IC、電源回路などが限られた筐体内に高密度で実装されるほか、高負荷なアプリケーションや急速充電などによって発熱量も増加する傾向にある。

ウェアラブル機器は筐体や基板が小さく、人体に近い場所で使用されるため、限られたスペースに温度監視機能を組み込む必要がある。

NCU01シリーズによって、従来は温度センサを配置しにくかった場所への実装を可能とし、電子機器の小型化、高機能化、信頼性向上を支援する。

2027年中に量産開始へ

村田製作所は2026年10月にNCU01シリーズのサンプル提供を開始しており、2027年中の量産開始を予定する。

製品は抵抗値100kΩ品と10kΩ品から展開し、今後、用途や回路設計に応じた製品ラインアップを順次拡充する計画だ。

同社は0201Mサイズへの小型化によって、温度センサを発熱部品の近くへ配置するための設計自由度を高め、高密度実装が進む電子機器の安定動作へ貢献していくとしている。