この宇宙・航空ニュースのまとめ

  • 火星衛星探査機「MMX」、H3ロケット10号機で10月20日4時41分に種子島から打上げ
  • 4本のSRB-3とロングフェアリングを備えた“最強型”H3ロケットで宇宙へ
  • H3で惑星間空間に打上げる初の探査ミッション、試料を地球に持ち帰るのは2031年度
  • 飛翔するH3ロケット(H3-24W形態)。種子島宇宙センターにて大塚実氏撮影(撮影日:2025年10月26日)

    飛翔するH3ロケット(H3-24W形態)。種子島宇宙センターにて大塚実氏撮影(撮影日:2025年10月26日)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、火星衛星探査機「MMX」を10月20日4時41分03秒に打上げる。固体ロケットブースタ(SRB-3)4本とロングフェアリングを装備した、24L形態と呼称する“最強型”H3ロケット10号機を使い、種子島宇宙センター 大型ロケット発射場から宇宙へ旅立つ。予備期間は10月21日~11月9日。

H3ロケット 24L形態の特徴

H3ロケット24形態は、日本のロケットとして最も大きく、第1段エンジンLE-9×2基と固体ロケットブースター(SRB-3)×4本の組み合わせで打上げ能力を強化した“最強タイプ”。重量級のペイロードにも対応できるのが最大の特徴だ。初飛行は2025年に実施された「新型宇宙ステーション補給機 1号機」(HTV-X1)の打上げで、今回のMMX打上げは2回目。

今回の24形態のH3ロケットには、従来にはない新たな特徴が複数ある。同機はH3シリーズ初のロング(L)フェアリング適用機であり、通常のミッションよりもMMXミッションの飛行経路は空力加熱が大きいことから、フェアリングに追加の断熱処置を施したとのこと。

打上げ能力を最大限引き出すため、第1段エンジンのスロットリングは実施しない。このため、第1段燃焼の後半フェーズの加速度が従来ミッションよりも大きくなるが、MMXの耐環境性の範囲内であるという。またロケットで飛行中の通信については、NASAのデータ中継サービスを用いてモニタすることにしており、この機能についてはH3ロケット7号機で既に飛行実証済みとのこと。

MMXミッションの概要

  • 火星衛星探査計画(MMX)探査機の実機。左が往路モジュール、右が探査/復路モジュール。JAXA種子島宇宙センター・第3衛星フェアリング組立棟(SFA3)内にて大塚実氏撮影、詳細は<a href="https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260813-4814923/" target=”_blank”>機体公開レポート</a>を参照のこと

    火星衛星探査計画(MMX)探査機の実機。左が往路モジュール、右が探査/復路モジュール。JAXA種子島宇宙センター・第3衛星フェアリング組立棟(SFA3)内にて大塚実氏撮影、詳細は機体公開レポートを参照のこと

MMX(Martian Moons eXploration)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を中心に、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)といった世界の宇宙機関が連携する国際的なプロジェクト。

MMX探査機は地球を旅立った後、火星の衛星・フォボスをめざし、地表面の物質を採取。2031年度に地球に帰還する計画だ。小惑星から試料を持ち帰った探査機「はやぶさ2」に続く、世界初の「火星圏からのサンプルリターン成功」をめざしており、惑星間往復飛行技術の「火星重力圏」への挑戦にもなる。

MMXによるサンプルリターンを通じて、原始太陽系における有機物・水の移動、天体への供給過程の解明に寄与することをめざす。火星衛星に含まれる含水鉱物・水・有機物などを解析して水や有機物の存在を明らかにするとともに、火星衛星の由来を解明することにしている。

詳細は鳥嶋真也氏による連載記事「火星の月に秘められた起源と水の謎 - その解明に臨む日本の探査機『MMX』」や、大塚実氏による最新の機体公開レポートを参照のこと。