TrendForceによると、エンタープライズSSDサプライヤの世界トップ5社の2025年第4四半期売上高合計額はAIデータセンターからの需要の高止まりが継続していることを背景に、前四半期比51.7%増の99億2000万ドルと高い伸びを記録したという。
具体的な動きとしては、AI推論ワークロードの普及拡大により、データストレージシステムへの要求が高まりを見せたのと同時に、汎用サーバーのアップグレード需要がHDDの供給不足に伴いSSDへの注目度の高まりもあり、高い成長率となったとみられるという。
主要サプライヤ5社の動向
主要サプライヤ5社の中でも売上高トップは、Samsung Electronicsで、同四半期の売上高は前四半期比49.7%増の約36億6000万ドルとしている。
DRAMとNANDの両方を生産することでSSDを安定して供給できるとの期待から注目されており、同社もそうしたニーズに応えるべく176層QLCエンタープライズSSDのラインナップを本格的に展開する動きを見せるなど、2026年に出荷台数を伸ばすことが予想されている。
2位はSKグループ(SK hynixとSolidigm)で、Solidigmの大容量QLC SSDへの注力などもあり、2025年第4四半期のグループ全体の売上高は同75%増の32億6000万ドルとSamsungとの差を縮め、市場シェアも30.2%まで上昇させている。SKグループは、自社の技術を差別化することで地位強化を目指す製品ロードマップを策定しており、生成AIのワークロードがトレーニングから推論へと移行する傾向に対応して姿勢を示している。
3位のMicron Technologyの売上高は同41.4%増の14億100万ドル。意図的にコンシューマSSDの割合を減らし、エンタープライズSSDへの注力姿勢を見せるなど、製品ポートフォリオを利益率の高いAI関連に振り向けることで高い成長を維持している。例えば、AIワークロード、特にキーバリュー(KV)キャッシュ操作をサポートするために、1日あたりのドライブ書き込み回数(DWPD)が高いSLC SSDを開発しており、これらの差別化製品が、AIストレージ市場における同社の戦略の重要な一部になるとTrendForceではみている。
4位のキオクシアの売上高は同18.9%増の11億6300万ドルと競合他社に比べて低い成長率となった。TrendForceでは、SSDにおいて頻繁にアクセスするデータ(マッピングテーブルなど)を一時的に保管するバッファ機能の役割を果たすキャッシュとなるDRAMを上位3社は内部調達できるものの、キオクシアは外部調達が基本のため、DRAMの供給不足が影響したものと見ている。
5位はSanDiskで、売上高は同63.6%増の4億4000万ドルとしている。TrendForceでは、同社が2026年にQLCベースのSSDの出荷比率を高めると予想しており、これによりエンタープライズ市場の売り上げの伸びが高まると見込んでいる。
なお、TrendForceによると2026年にはPCIe 5.0製品が主流となり、高価格化と出荷個数の増加により市場規模が倍増する可能性があるとする。また、各社の競争は3D NANDの層数だけでは決まらず、安定したPCIe 6.0ソリューションをいち早く提供したり、AIワークロードごとに特化した製品の提供など付加価値の部分の比率が高まると指摘している。
