2026年のディスプレイ製造装置投資予測額は前年比32%増の89億ドル

ハイテク産業市場調査会社である韓Counterpoint Researchによると、2026年の世界ディスプレイ製造装置投資額は2025年の67億4800万ドルから32%増の89億1500万ドルへと成長することが予想されるという。

  • 2025年(実績)および2026年(予測)の世界ディスプレイ製造装置投資額

    2025年(実績)および2026年(予測)の世界ディスプレイ製造装置投資額 (出所:Counterpoint Research)

  • 2025年(実績)および2026年(予測)のディスプレイ技術ごとの投資額

    2025年(実績)および2026年(予測)のディスプレイ技術ごとの投資額 (出所:Counterpoint Research)

2026年の設備投資額を細かく見ると、LCD(液晶ディスプレイ)製造向け設備投資が前年比45%減となる一方、OLED(有機ELディスプレイ)は同68%増と予測されるとする。また、OLED投資については、中BOEのB16生産ライン、中China Starのt8ライン、中VisionoxのV5ラインなどといった第8.7世代のIT向けOLED生産ラインへの投資が主な牽引役になると見込まれるとしている。

このほか、インドAdani Groupと台Foxconnによるインドでの第10.5世代LCD投資計画は中止となったが、中HKCが見込む第9.x世代(3370mm×1940mm)のLCDプロジェクトが、2028年のLCD投資を押し上げる可能性があるとするほか、それと並行して、第6世代のスマートフォン向けOLED技術関連の追加投資も、継続して進められることが期待されるともしている。

これらの結果、2023年から2030年にかけて世界のディスプレイ製造装置投資における各ディスプレイ技術が占める割合は、OLEDが67%、LCDが30%、Micro-OLEDが2%となると予想されるという。

各社別々の第8.7世代OLEDの画素形成方式

第8.7世代(基板サイズ2290mm×2620mm)OLEDの画素形成方式には、大きく分けて3種類に分けられる。以下にそれぞれの特徴を記す。

  • ファインメタルマスク(FMM):真空下で有機材料を加熱して蒸発させ、極薄の金属マスクを通して成膜することで、RGBサブピクセルを形成する主流の方式
  • フォトパターニング(または「マスクレス」):フォトリソグラフィベースのパターニングで画素構造を定義し、FMMを使わずに成膜を可能にする方式
  • RGBインクジェット印刷:OLED材料を液体としてインクジェットノズルから吐出す溶液プロセスでRGB画素を形成する方式

なお、Counterpoint ResearchのアソシエイトディレクターであるJayden Lee氏は、「主要ディスプレイメーカーにおいて、第8.7世代OLEDの成膜方式はすでに決定されている。Samsung Display(SDC)とBOEはFMMを選択し、VisionoxとLG Displayはフォトパターニング(マスクレス)方式を、China StarはRGBインクジェット印刷方式の採用を決定している。FMMを採用するSDCとBOEは年内の量産開始を計画している一方、VisionoxとChina Starは2026年第4四半期から装置搬入が始まる見通しである」と述べている。