三菱電機と三菱UFJ銀行、ID&E ホールディングス、国際航業、ゼンリンの5社は3月2日、2月27日に衛星データサービス企画(SDS)に出資したと発表した。これに伴い、SDSは事業会社化して「衛星データサービス」として、4月から始動を予定している。

、多様な場面における衛星データの活用

日本政府が主導し、行政における衛星データの利用を促進する「衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース」が定めた「衛星データ利用に関する今後の取組方針について」では、衛星データを関係府省が積極利用することを取り組み方針として掲げており、インフラの強化や地球規模課題への対応など、多方面へ活用することを目指している。

また、2026年度中の防災庁の設立を目指して閣議決定された「防災立国の推進に向けた基本方針」においても、災害発生時に衛星などの観測データを用いて、迅速に被害状況の全体像の把握を目指すことが明記されている。

SDSは、衛星開発・運用、データ解析、コンサルティングに至る、一連の衛星データサービスのバリューチェーンを構成する企業により、2021年6月に企画会社として設立。同社は衛星データの活用市場の形成と拡大を目指し、国土・インフラ管理や災害時の迅速な状況把握、農地・建物の管理など、多様な場面における衛星データの活用に向けた検討や実証に積極的に取り組んできた。

今回、地理空間情報技術を活用し、国土保全、防災・減災、社会インフラ整備、環境・エネルギーなどの分野で技術サービスを提供する国際航業と、高精度な地理空間情報を整備・活用したソリューションを展開するゼンリンが、SDSの出資者として新たに参画。また、SDSは事業会社に移行し、これまで同社が取り組んできた検討や実証の事業化を目指す。

衛星に関連した事業に取り組む企業とSDSが連携することで、衛星データ活用の社会実装を推進するとともに、衛星データの活用を通じて、安心・安全な社会の実現や社会課題の解決に貢献していく考えだ。

各社の役割

各社の役割として三菱電機は、多様な観測衛星の開発や衛星データ解析で培った技術・知見を活かし、建物・農地などの変化状況や温室効果ガスの発生状況の見える化など、衛星データを活用したサービス提供に向けた取り組みを進めていくほか、SDSと共同で災害対応の枠組み「日本版災害チャータ」の構築・運用を推進。今回の追加出資により、これらの取り組みを加速させ、衛星データを活用したサービスの普及を目指す。

三菱UFJ銀行は、SDSの枠組みへの参画を通じて、衛星データと既存の金融サービスの組み合わせによる新たなビジネスモデルの創出に取り組む。今回の追加出資を通じて、SDSの事業拡大を加速し、衛星データの利活用推進や社会課題の解決に向けた更なる貢献を図る。

ID&E ホールディングスは傘下の日本工営を中心に、洪水や地震などの災害時における被害実態の把握や復旧・復興対策の実施、平時における河川や道路などのインフラ施設のモニタリングなど、衛星データを活用した各種ビジネスを展開していく。今回の追加出資により、SDSとの連携と事業基盤を強化し、海外市場にも展開していく。レジリエントで持 続可能な未来の創造に向けて、多様な領域での貢献を高めていくという。

国際航業は、地理空間情報と衛星リモートセンシング技術を軸としたDX支援や新規事業を推進しており、SDSへの参画・出資を通じて、高度化するニーズに即した衛星データ活用を加速させる。デジタル実装によるコンサル能力の深化とAIなどの先端技術を融合させ、気候変動や脱炭素、災害対策、トレーサビリティなどの社会課題を解決していく。

ゼンリンは、地理空間情報サービス企業として、高精度な空間情報の収集・整備・更新技術により、膨大なデータをあらゆる用途に最適化して提供することで、社会に貢献し続けることを企業活動の基本としている。今回の出資を通じて、より広範な領域での社会課題解決や新たな価値創出に寄与するとともに、これまで培ってきた地理空間情報の活用技術や全国に展開する拠点網を活かし、多様な分野での共創を通じたビジネス展開を推進するとのこと。