TSMCが台湾北部/中部/南部のサイエンスパークですでに建設を進めている工場(ファブ)に加え、2026年に着工予定の工場を加えると10工場の新規建設が展開される可能性があると台湾メディア「自由時報」が台湾半導体サプライチェーン関係者情報として2月23日付で報じている。
A14の量産拠点候補は新竹のFab20と台中のFab25
TSMCは現在、AI半導体を中心とする先端プロセスに対する需要への対応に向けた生産能力の確保を最優先事項としている。
自由時報によると、すでに2nm(N2)プロセスの量産は2025年後半より北部の新竹宝山Fab 20と南部の高雄Fab 22で進められており、例えばFab 20の第1製造棟(P1)では月産2万~2万5000枚の生産が見込まれるほか、P3/P4工場の造成工事も進行中で、N2以降の微細プロセス生産に対応する予定である。
また、次世代の1.4nm(A14)については中部サイエンスパークにあるFab 25が計画されており、4つの製造棟(P1~P4)の建設が計画されている。杭打ち作業を2025年後半に開始、リスク生産は2027年後半、本格的な量産開始は2028年後半に予定されている。さらに、別の台湾メディア「工商時報」によると中部サイエンスパークでは先端パッケージング(AP)ファブ「AP5B」も2026年中に完成予定とするほか、嘉義県にもAP拠点「AP7」のP1建設が同様のスケジュールで進んでいるとする。
台湾南部への進出が加速
TSMCは、台湾南部を台湾における生産能力拡大の新拠点に位置付けているという。N2製造を担当するFab 22はP1が2025年後半より量産を開始したほか、P2も試運転を開始、P3も建屋構造がほぼ完成状態となっている。さらに、Fab 22 P4/P5の建設も進行中で、5つのファブすべてが2027年第4四半期までに稼働する予定である。
さらに、急増するN2需要への対応を目的に、南部サイエンスパークの台南特別Aエリアに新たな2nmファブの建設に向けた追加投資も計画しているという。4月にP1の環境審査が承認されれば、早ければ5月にも建設が開始される可能性があると言われており、まさに台南が同社の先端プロセス生産の重要地域という認識が見て取れる。
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2026年に稼働予定および建設中、計画中のTSMCの台湾域内ファブ一覧。地名は上から順に、新竹/宝山、台中、嘉義/台南、高雄/楠梓 (出所:台湾メディアおよびTSMC情報に基づきTrendForceが作成)
先端300mmに注力、8インチの生産はVISが継承
このほか、台湾の聯合新聞網によると、TSMCはAIを中心とした先端プロセスと先端パッケージングに対する強い需要に対応するため、8インチ工場の新竹Fab 3/5/8および台南Fab 6を閉鎖し、そのリソースを先端に振り向けることを計画しているという。
すでに6インチラインでのGaNパワー半導体の生産受託を2027年までに辞めることを決めているほか、年間生産能力約500万枚の8インチラインについても、その約80%を段階的に子会社のVISに移管させる予定で、すでに製造装置の一部が2回にわたりVISに売却されたという。
なお、TSMCは台湾以外の生産能力拡大を含め、積極的な設備投資を計画している。1月中旬の発表では、2026年の設備投資額を前年比約30%増となる520億~560億ドルと発表しており、米国と日本での先端プロセス工場建設に加え、これら台湾全域での生産能力拡大計画にも割り当てる予定である。