ホンダが産総研とダイヤモンド半導体の連携研究室を設立

本田技研工業(ホンダ)は2月6日、同社の研究子会社である本田技術研究所(Honda R&D)が、産業技術総合研究所(産総研)および産総研の研究成果の社会実装を支援するAIST Solutionsとダイヤモンド半導体の研究開発の強化を目的とした「Honda R&D-産総研ダイヤモンド×エレクトロニクス連携研究室」を2026年2月1日付で設立したことを発表した。

  • 設立式での記念撮影

    設立式での記念撮影。左からHonda R&D エグゼクティブチーフエンジニア 材料研究センター リジェネラティブ材料研究室長の川﨑謙一氏、同 執行役員 材料研究センター長の豊田裕介氏、同 取締役 統括機能センター長の廣田和久氏、同 代表取締役社長の大津啓司氏、産総研 副理事長 兼 研究開発責任者の小原春彦氏、AIST Solutions 代表取締役社長の逢坂清治氏、産総研 上級執行役員 兼 研究戦略本部長代理の濱川聡氏、同 執行役員 兼 エレクトロニクス・製造領域長の安田哲二氏 (出所:産総研/ホンダ)

究極のパワー半導体として期待されるダイヤモンド半導体

さまざまな機器の電動化・電子化を背景に省電力化ニーズが高まり、従来のシリコンベースのパワー半導体のほか、近年ではGaN、SiCといった次世代パワー半導体デバイスも活用されるようになってきた。中でもモビリティ分野は搭載したバッテリーが高電圧であり、かつ大電流を制御・変換する必要があり、SiCやGaNの活用が進んでいるが、より高性能なパワー半導体の実用化も求められるようになっている。

ダイヤモンド半導体は、低消費電力に必要な高耐圧特性や高周波特性に優れ、高温・高放射線耐性などの要素も持ち合わせていることから究極のパワー半導体材料と呼ばれることもあり、その実用化に向けた研究開発が日本をはじめとして世界各地で進められている。

中でも産総研はダイヤモンド半導体に関するさまざまな研究を行ってきた実績を有しており、ホンダも2023年より自動車の駆動に向けた高電圧・大電流対応ダイヤモンドパワーデバイスに関する共同研究を行ってきたとする。

今回の連携研究室設立は、そうしたこれまでの取り組みをさらに深めることを目的としたもので、産総研の次世代パワー半導体の中核的な研究拠点である「つくばセンター」および「関西センター」に設置され、ダイヤモンド半導体の基板技術からデバイス化技術までの研究、次世代電子デバイスの実用化に向けた共同研究を進めていくことを予定している。また、イノベーション連携拠点としての活用も予定しており、材料や製造など関連領域におけるパートナー連携や、社外の多様な技術・アイデアの活用も見据えた多角的な取り組みを実施していくともホンダでは説明している。

  • 各パワー半導体材料の特性比較

    各パワー半導体材料の特性比較および連携研究室が目指す拠点活動の方向性 (出所:産総研)

なお、同研究室は、産総研が推進する企業名を冠した連携研究室(通称、冠ラボ)の1つであり、パワー半導体デバイスの材料として注目されるダイヤモンド半導体として、ダイヤモンドMOSFETおよび車用インバータの開発を進め、材料物性の評価だけでは見通せていない各レイヤの課題、パワー応用の見通しを明らかにすることを目指すとしている。