MLCからTLCやQLCに生産移行を進める大手NANDサプライヤ
TrendForceによると、主要なNANDサプライヤがMLC NANDの生産を削減または停止し、資本および研究開発投資をより高度なプロセス技術に向け直す動きを見せていることから、2026年に世界に供給されるMLC NANDフラッシュメモリの容量は前年比41.7%減となり、需給の不一致の拡大につながる可能性があるという。
MLC NANDの供給が減少する主な要因は大手サプライヤのSamsung Electronicsが2025年3月にMLC NANDの生産終了を発表し、最終出荷を2026年6月としたことにあるとい。また、同じくNANDサプライヤ大手のキオクシア、SK hynix、Micron Technology各社もMLC NANDの生産量を制限、かつ生産能力の増強する意思をほとんど示していないことも要因として挙げられるという。これらの動きにより、MLC NANDは供給が急速に減少する一方、大規模な代替品による生産能力が増強されなかったため、MLC NAND市場は2025年第1四半期後半以降、駆け込み需要とそれに伴う大量発注による価格の急騰が生じ、以降、価格は上昇傾向が続いているとする。
MacronixがNORからMLC NANDへのライン転換の動き
TrendForceによると、MLC NANDの最終製品需要は、主に産業機器の制御用途、車載エレクトロニクス、医療機器、ネットワーク機器などが牽引役となり、比較的安定していると見られるという。一方、これらのセクターは、信頼性、書き込み耐性、そして長期供給に対する厳しい要求を伴う一方で、長期的な成長見通しは限定的な市場であるとも指摘しており、特定のユースケースにおいて改良型TLCソリューションの採用が促進された場合、あるいはNAND市場全体が明確な景気後退期に入った場合、MLC NANDの価格は間接的な下落圧力に直面する可能性があるとしている。
なお、MLC NANDの長期的な供給不足に伴い、従来から組み込みおよび高信頼性メモリ市場に注力してきた台湾Macronixは、すでにNORフラッシュの生産能力の一部を縮小させて、代わりにMLC NANDの生産能力を増強する動きを見せているとのことで、今後はNORについて、生産能力ならびに供給量の減少に伴う価格の下落圧力が弱まることが予想され、中容量以上のNOR製品の価格動向に注視する必要があるとTrendForceでは指摘している。
